今日は、天気予報では15時くらいから崩れるとのことでしたが、結果的には、1日中、晴れた日でした。ただ、大学周辺意外は崩れていたのかもしれません。
さて、今日は、オーランドに来て2ヶ月にして、ユニバーサルスタジオに初めて行きました。
ユニバーサルは、オーランドに2つのパーク、3つのオフィシャルホテル、1つの飲食物販エリアをもっています。この規模は、WDWに比すれば小さいですが、国際的に見てもトップクラスの規模といえるでしょう。(感覚的には、TDRと同じくらいですね)
そうした規模を持つユニバーサルスタジオですが、かなりダイナミックな価格設定を行っています。
http://www.universalorlando.com/tickets.html
価格設定からいって、2−PARK Unlimited、$99.99を買って欲しいという意図が伝わってきます。大阪のUSJも値下げを発表しましたが、2つのパークを持ちながら、それよりもアグレッシブな価格設定をしていることは、「必死さ」を感じます。
ただ、単純に値下げをしているだけでは無いことにも注目すべきでしょう。
まず、この価格で購入するには、WEBサイトで購入する必要があります。つまり、「前売りで購入」する必要があるわけです。
オーランドは、多くのテーマパークが立地していますから、オーランドに来ることがイコール、ユニバーサルに訪れることになるわけではありません。訪れたものの、WDWやシーワールドなどに時間をとられ、ユニバーサルには行かない。または、2つあるパークのうち、1つにしか立ち寄らない。ということは、十分に考えられます。しかしながら、前売りで購入させてしまえば、事業者側としては確実に売り上げを立てることが出来ます。
次に、この前売り券は、一番シンプルな構成であり、付加的なサービスは一切含まれていないというのも特筆できます。具体的には、駐車場やディズニーのファストパスに相当するエクスプレスパス(ユニバーサルは有料で販売)などは含まれていません。そのため、このチケットを使って来訪しても、付加的にお金を落としてくれる事が期待できるわけです。食事代も考えれば、それなりの収益となりましょう。
さらに、こうしたダイナミックな価格設定をしながら、ちゃんとホテルゲストや住民向けのサービスとは差別化を行っている点です。例えば、ホテルゲストに対しては、エクスプレスパスを添付しています。このエクスプレスパスは、1日で$30〜$40と、1日券なみの価格設定であり、(特に格安チケットを購入した人にとっては)かなり高額です。ただ、このパスを持っているかどうかは、パーク内での快適性が全く異なりますから、ホテルゲストは「大切にされている」と感じることでしょう。また、フロリダ州民向けには、さらに安価なチケットが販売されています。例えば、$99.99で年内一杯利用可能なチケットが入手できます。
http://www.universalorlando.com/hd_florida_index.html
単に安価にしているのではなく、それら州民向けチケットは、スポンサー企業とタイアップしている点も注目されるでしょう。具体的には、前述の$99.99年内有効パスは、スポンサー企業の1つであるコカコーラとタイアップしており、コカコーラ商品と同時購入するという形をとっています。ちなみに、私は、このチケットを購入しました。(ただ、地元のスーパーだと、コカコーラを買わなくても、チケットだけでも買えてしまいますが)
92.9:800:600:350:263:ユニバーサルスタジオオーランド:right:1:1:ユニバーサルスタジオ オーランドの一風景 奥に見えるコースターは建設中のもの:0:
さて、パークですが、ユニバーサルスタジオは、基本的に大阪のUSJと同様です。TDLとマジックキングダムの関係のようなものですね。ただ、USJ以上に、「アメリカン」で「大人向け」という印象はあります。USJもアメリカンな雰囲気は強いですが、あれでも、日本向けにアレンジしていたのだなぁと感じます。まぁ、お客さんも含めアメリカの人ですし、飲料や食べ物、グッズなどもアメリカ嗜好ですから当たり前といえば、当たり前ですかね。一方、大人向けというのは、効果音が日本よりかなり激しく鳴る印象がありましたし、レビューの映像で結構悲惨な内容があったり、アトラクションがかなりハードであったりといったところです。小さい子供づれだと、ちょっとつらい部分もあるかもしれません。
103.8:800:600:350:263:アイランドオブアドベンチャーの一風景:right:1:1:アイランドオブアドベンチャーの入場ゲート周辺:0:
今日は、もう一つのパーク、「アイランドオブアドベンチャー」にも行ってみました。ただ、こちらは、一回りしただけで、アトラクションには入っていません。(暑さでばてました)
こちらは、新しいパーク(1999年オープン)だけに、全体的にかなり作り込まれています。色彩とかデザインは地中海がイメージされているのでしょうか。私は、スターウォーズの惑星ナブーの都市のように感じました。
アトラクションには入っていないので、中身はわかりませんが、こちらの味付けは「若者向け」かなという印象です。いわゆるスリル系のライドが多いことからですね。WDWだと、1つのパークにスリル系ライドは1つか2つですが、アイランドオブアドベンチャーは、3つ、ジュラシックパークやスパイダーマンもスリル系と考えれば、5つになります。キッズ向けの空間もあるにはありますが、メインは若者、10代、20代という印象。ただ、子供が沢山いる家族連れはこちらででは少なくありませんから、上の子が高校生ぐらいで、下の子が小学生低学年といった構成だと、ぴたっとはまるのかもしれません。
いずれにしても、アトラクションの構成を変えることで、WDWと差別化を図っている印象がありますね。
80:800:600:350:263:ボードウォーク:right:1:1:ボードウォークの風景 綺麗に作られてはいるが炎天下での歩行は苦行:0:
ただ、後発組のわりには、勉強が足りないと思う部分はあります。例えば、駐車場からパークまでのアクセスが劣悪で、かつ、駐車場のオペレーションも悪い。具体的には、2つのパークにいくには共通の駐車場に止めるのですが、この場所が、駐車場、商業物販エリアであるボードウォーク、そして、湖を挟んでパークにアクセスという状態で、非常に長い。USJも駅からボードウォークを経ないとアクセスできない構造になっていますが、あれと同じです。この間は、「歩く」しかなく、強い日差しの中、延々と移動するのはかなりの苦痛。
ディズニーは、駐車場からシャトルを走らせており、それに乗れば楽々とパークにアクセスできるのに比べると、かなりのマイナス要素。そもそも、なんで、ボードウォークに動線が集約されなければならないのか解らない。印象悪い。
さらに、この立体駐車場、3階でボードウォーク方面に接続されています。つまり、3階がベストの駐車位置。にも関わらず、なぜか1階。それも端から車を停めさせていく。オペレーターからすれば、その方が楽かもしれませんが、客のこと考えているの?という疑問がわく。
103.2:800:600:350:263:ハリーポッターアトラクションの建設風景:right:1:1:新アトラクション「ハリーポッター」の建設風景 テーマパーク内で建設中をまともにさらす理由はなに?:0:
園内も、疑問はある。例えば、こちらのパークには、WDWも含め、アンケートをとる調査員と、写真撮影するカメラマン(撮影自体は無料だが、その後、プリントされた写真を受け取るのは有料)がパーク内を巡っている。ただ、WDWではこれらのスタッフが風景に溶け込む感じで自然に存在しているのに対し、ユニバーサルでは非常に目立っていて異質な感じ。
パーク内の施設配置も、ごちゃごちゃ感がつよく、窮屈な印象が強い。これに関係して、場面場面で「おぉ!」と思うような景観が乏しい(絵になる場面が少ない、ランドマークに乏しい)だけなく、無頓着に裏側がさらされている。例えば、ユニバーサルでは現在、建設中のコースターが、アイランドオブアドベンチャーでは、ハリーポッターアトラクションが、その建設中の状況をさらしている。こういう景観をさらす意味がわからない。「今作っているから、出来たら来てね」というつもりなのかもしれないが、ディズニーの調べでは、リピート率は数年単位である。ユニバーサルも同様だとすれば、辺にさらしても不満が貯まるだけだろう。さらに、テーマパークがその裏方をさらしてどうするの?という基本的な疑念もでる。
細かい詰めが甘く、その甘さが、不快感につながってくる。そんな感じである。まぁ、ディズニーと比すれば価格面では20〜30%程度、安価になっていることを考えれば、こんなものと思うべきなのかもしれない。(例:WDWの年間パスは約5万円、半期で単純に半額とすれば2.5万円。パークが4つ分の値段だから、さらに半額にすると1.25万円。これに対し、ユニバーサルの半期パスが約1万円。)
価格設定などは非常に戦略的な意識を感じるのに、アトラクションではツメを欠く。経営能力は高いけど、魅力を創造するコンセプト部分が弱いということなのかもしれません。
それだけ、「本当に楽しい」と顧客に思ってもらえるテーマパークを作るというのは大変だということでしょう。日本でバブル期に多く開設されたテーマパークの多くが厳しい状況におかれているのも、当然の帰結といえるかもしれません。
でも、私は半日で感じることを、USJ開設時に担当者は感じなかったのでしょうかねぇ。

Share