ここオーランドは、基本的には雨量の多い所である。
しかしながら、山が無いために、ほとんど河川が存在せず、降った雨は、各所の池、沼に貯まるか、そのまま自然透水することとなる。地面に透水された水は、地下水となり、いくつかの場所でわき水となることで、池や沼を形成することもある。
大学に隣接する「シングルクリーク ホテル」のシングルクリークとは、数少ない河川の名称であり、実は、そのシングルクリークの始まりが、この場所である。しかしながら、その始まりとされる池自体は、さほど大きなモノでは無いことから、おそらくはわき水が流れ込んでいるものと考えられる。(ちなみに、この池は、ゴルフ場の中にあるが、ワニが生息しているらしい)
飛行機からオーランドを見ると、数多くの湖、池、沼が点在しており、雨が直接的、もしくは地下水を経由した間接的にそれらの湖沼を形成し、河川へと繋がっているのだろうということが推測できる。
日本からオーランドに来るときは、是非とも、着陸前に、それらを確認していただきたい。
さて、そのように、豊富な雨量を誇るオーランドであるが、河川が無いと言うことは、いわゆるダムを造ることは出来ない。確認してはいないが、おそらくは地下水に上水を依存している物と考えられる。というのは、場所によって、水道水の味が結構異なるからだ。
さらに、もともと勾配に乏しいところであるために、水道に水圧をかけることが難しい。そのため、各所に水道水をためる貯水タンクが設営されている。このデザインは地域によって異なっており、いくつかのバリエーションがある。一本足の物、四角い物、丸い物、多足の物などである。
貯水タンク自体が、日本では珍しい存在となっており、これだけでも結構、楽しい。
また、雨量が多い一方で、日射のパワーは絶大で、かつ、透水力が高い地表であるために、湖沼の周りを除けば、植物の生息は、実は、難しい。そこで、オーランドで一般的に行われているのが、散水システムを利用した散水である。芝生から樹木まで、緑があるところの足下には、基本的に、散水システムが敷設されており、朝夕の気温が低い時間に散水が行われている。
ラスベガスも、砂漠の町に水をまくことで緑の町に変えているが、ここオーランドでも、(雨量がありながら)同様の取り組みを行っていることが興味深い。こういう、あくまでも「人工的」な環境整備が、アメリカ的という所か。
ちなみにこの散水システムは、一般の住宅でも普及している(そうでなければ緑は保てない)ようで、その設備や制御プログラムがTV-CMなどもよく流されている。
こちらでは、ある程度のクラスになると「個人宅に専用プール」が付帯する事も少なくない。また、物販店に行けば、日本では考えられない規模(直径3m以上、深さ1m以上)のビニールプールも普通に売られている。ウォーターパークに限らず、テーマパークにおいて水を多量に利用するアトラクションも多い。
寮生活のため、水道料金は解らないが、こうした水の使われ方を見る限りにおいては、水道代は、かなり低下に抑えられているか、そもそも地下水を利用した自家水道扱いなのかもしれない。
水は豊富なのか、そうではないのか。よく解らないのが、ここオーランドである。

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