Discussion of Destination Branding.

オーランド103日目 〜日米での顧客セグメントの違い

少し前になりますが、日本発の記事ですが、興味深い記事を2つ目にしました。
1) http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20090811_308311.html
2) http://www.excite.co.jp/News/economy/20090831/Itmedia_makoto_20090831009.html
「格差」については、日本でもいろいろ触れられているので、ここでは触れませんが、アメリカでは、客層と店舗とがわかりやすい対比になっているということは、オーランドに生活していて実感する部分です。
例えば、食品から医療、ガーデニング用品、AV機器・ソフトまで多様な品揃えを安価に提供する「ウォルマート」は、とっても便利な存在ですが、客層は、「うーん」とつい思ってしまうような人たちが少なくない。客のマナーは低めだし、店員の質も低い。
一方、オーガニック食品を主体に取り扱う食品スーパー「WholeFoodsMarket」は、値段は高い(ウォルマートの5割増し以上は当たり前)が、客層は「健康にちゃんと留意している高額所得者層」という感じで、セレブな感じが伴う。店員も全般的に対応は良好。
http://www.wholefoodsmarket.com/
こうした客層の違いは、駐車場をみれば一発です。ウォルマートには、いわゆる高級車は止まっていたためしがありません。
でも、日本では、高額所得者であっても、ウォルマートにも行く。逆に、所得が高くなくても、記念日の消費であれば、WholeFoodsMarketにも行くことでしょう。実際、私も当地において、用途で、使い分けていますから。
そんな、カテゴリレスな状態の象徴のような商品も出ています。
http://www.first-cabin.jp/
カプセルホテルなのに、高級路線…
所得と店舗カテゴリが、必ずしも、比例関係に無いのが、日本の実情。記事2が指摘する通りです。
この他にも、ITリテラシーとの対応も顕著です。
日本では、ヤマダ電機とかビックカメラ、ヨドバシカメラなどの家電量販店が「実店舗」の数量、床面積で勝負を繰り広げていますが、「記事1」にあるように、アメリカでは、AV系の家電量販店は、ベストバイを除き全滅状態。
音楽についても、あっという間に、ダウンロード販売が主体にかわり、実店舗による「レコード専門店」は壊滅状態。
書籍も、本屋はまだ、残っては居ますが、Amazonの存在感はとても強い。
もともと、国土が広いこともあり、日本よりも通販が普及していたという背景はあるものの、WEBの普及によって、一定以上のITリテラシーを持つ人たちは、一気に、WEB通販に移行してしまったということが指摘できるでしょう。
日本でも、WEB通販は、普及しつつありますが、決済をクレジットカードに一本化できず、着払いや、コンビニ払いなどを併用せざる得ないなど、「ITリテラシーが高ければ、WEB通販」という図式にはなっていません。(このことは、WEB通販事業者は、必ずしも、ITリテラシーが高くない人も相手にしなければならないことも示しています。)
こうやって考えてみると、米国では当たり前のように行われている「セグメンテーション」が、日本ではとても難しいのだなぁと感じます。
例えば、こちらのマーケティング調査では、当たり前のように「所得」と「学歴」をプロフィールとして聞くのですよね。その理由は、その変数が、消費行動に大きな影響を与えることが過去の研究で実証されているからです。が、日本では、この変数の説明力は低いように思います。私の所属する会社でも、マーケティング調査において「所得」を尋ねていますが、あまり有意な変数になった記憶はありません。(うろ覚えですが)
旅行の場合で言えば、「誰と旅行するのか」が大きな説明力をもった変数となっています。
多民族国家であり、宗教観などもふくめて、社会的にセグメンテーションが明確な米国と、のっぺりとした市場構成の日本。セグメントマーケティングの必要性は感じつつも、実践は難しい。それが、日本でのマーケティングの難しさかもしれませんねぇ。
日本では、航空会社が行っているマイレージのように、間口は広く(誰でもウェルカム)とっておいて、その中で、上顧客となる顧客を見つけ出し、彼らに対して特別な対応を行っていくことでロイヤリティを高め、リテンションを図っていく(それが、結果的にセグメンテーションにもなる)というのが、有効なのかもしれません。

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