今日は、ほぼ、一日、統計分析ソフトに向かっていた。素材は、沖縄県宮古島の観光客CS系データ。
宮古島の皆さんのがんばりで、かなりのサンプル数が集まっているので、いろいろと切り甲斐があり面白い。
この分析で私が注目しているのは、食と、顧客維持との関係。食のCSと、総合CS、または、ロイヤリティとが正の関係にあることは、既往の研究によって明らかとなっているが、この辺をもう少し、深掘りしてみようと思っている。
こうした分析を行うに当たって、頭の整理をすると。観光振興のためには、「新規集客するための魅力」と「顧客維持するための魅力」の2種類があるのだということが解る。どちらも、Pull Motivationではあるが、両者では見るものが異なってくる場合もあるということだ。
既往の調査では、食、それも、ローカルフードを、Pull Motivationの一つとして捉えることが多い。これによって、フード・ツーリズムを振興しようという趣旨だ。フランスのワイナリーにワインを求めて出かけていくなどというのは、その好例だろう。ただ、そうした切り口においては、対ノベルティ・シーカー用に、「ユニークな食を提供すること」という視点が強い。確かに、そうした点は大きい。
でも、「顧客維持」の視点からみると、「食はCSやロイヤリティと正の関係がある」とは確認されていても、ローカルフードであれば、CSやロイヤリティが変わるのかといった事は検証されていない。
結果的に言うと、ローカルフードは、CSには影響があるが、どうも、ロイヤリティにはあまり影響しないという感じだ。
これは、ノベルティにはなっても、常習性を招くような効果には弱いということも出来る。
例えば、ホテルに比して、地元のの食と文化を味わうことの出来る、ローカルのレストランで食事することは食事CSを高めるが、ロイヤリティには影響しない。さらに、地元のレストランでの食事回数が増えても、ロイヤリティなどは増大しない。
沖縄に来たからには、食べてみたいと思い、それなりに満足もし、旅行全体の満足度にも繋がるが、かといって、何度でも食べたい、また来訪してまで食べたいとは思われない。という感じだろうか。
沖縄は、日本では珍しく3泊、4泊の旅行者が一定以上存在する「長期滞在」ディスティネーションである。そうした長期滞在ディスティネーションにおいては、ノベルティとしてローカル・フードは重要だし、CSにも意味をもっているが、顧客維持においては、他のバリエーションも含めた食が必要なのかもしれない。
この辺は、もう少し、分析を進めて、機会があれば再掲したい。

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