今日は、午前中、英論文の手直しに取り組んだ後、午後2時から、ローゼンホテルズの日本対応セールスの方の案内で、ローゼン氏が経営する7つのホテルを巡った。
ローゼン氏が経営する7つのホテルは、ROSENの名称が付いているものが3つ。チェーン展開しているホテルのブランドを使っているのが4つとなっている。
http://www.rosenhotels.com/familyOfHotels.asp
Deluxeクラスが1つ(シングルクリーク)、Moderateクラスが2つ(プラザ、センター)、Valueクラスが4つ(コンフォート、クォリティイン×2、ロードウェイ)という構成であり、上から下まで綺麗なピラミッド構成となっている。しかも、それらのホテルのうちコンフォートを除く6つは、コンベンションセンターからユニバーサルスタジオを結ぶエリアに集中立地しており、同エリアの中核ホテル群となっている。
これらのホテルのうち、シングルクリークは、大学の敷地に隣接しており、1.5年前の出張時に、宿泊もしているが、その他のホテルについては、ほとんど接点が無いまま、今日に至っている。なので、今日のように、一気に巡る機会は、とてもありがたいものであった。
それぞれのホテルの詳細については、前述のURLからたどって照会いただくのが確実だが、ここでは、簡単な感想を備忘録をかねて載せておこう。
9.5:350:233:0:0:Rodeway Inn International :right:1:1:Rodeway Inn International リノベーション後の部屋:0:
ロードウェイ Rodeway Inn International http://rodewayinnorlando.com/
7つのホテルの中で、もっとも北側に位置するホテル。すなわち、ユニバーサルスタジオ、ウェッティン・ワイルドに一番近い。ウェッティン・ワイルドは至近。ユニバーサルスタジオも「頑張れば」徒歩圏となる。双方とも駐車料金がかかることを考えれば、徒歩でアクセスできるということは、実は、結構なメリットである。さらに、数々のレストランや、ギフトショップ、小規模なテーマパークなどが集積するインターナショナル・ドライブ北側に面しているため、WDWとは異なる「ベタな」楽しみ方が出来るところである。
施設は、それなりの築年数であるが、現在、リノベーションが進行中であり、来年春には生まれ変わることになる。先行的に改装された部屋を見せてもらったが、全く、無問題。もともと、米国のホテルは、このクラスでもかなりの広さを持っている。その代わりとしてValueクラスでは、冷蔵庫が無かったり、サッシなどの立て付けが悪かったするのだが、ここは冷蔵庫のみならず電子レンジもそなえ、かつ、リノベーションによって、調度品も上質なものに変わっており、日本の感覚からすればValueクラスとは思えない質感である。もっとも、エントランスやフロント周り、通路や共用トイレなどに、「クラス」を感じる部分は少なくない。ただ、それも「クラス」以下の品質ということではなく、相応である。宿泊料は、シーズンによって大きく変化するが、「お得」であることは間違いない。
15.1:350:233:0:0:Comfort Inn Lake Buena Vista :right:1:1:Comfort Inn Lake Buena Vista :0:
コンフォート Comfort Inn Lake Buena Vista http://www.comfortinnorlando.com/
7つのホテルの中で、最も南側に位置するホテル。すなわち、WDWに最も近い。そして、WDWのオフィシャル「ネイバーホテルズ」の1つとなっている。
コンフォートホテルは、日本でも近年、展開を始めているが、ここのコンフォートは、写真で見て解るように低層型であり、廊下は開放型。駐車場は部屋を囲むようにレイアウトされ、マイカーで部屋の至近までアクセスできる。日本の感覚では「ビラ」という印象。実は、こうしたレイアウトは、米国ではさほど珍しいモノでは無く、リゾート立地のValueクラスの典型例と言って良い。前述のロードウェイは、日本でもなじみの多い、内廊下で、かつ、階高もあるタイプだが、これは、珍しい例と言って良いだろう。
部屋の作りは、リノベーション後のロードウェイに準じたものであり、十分な広さと落ち着いた雰囲気で、チープ感は無い。電子レンジ、冷蔵庫が完備なのも、Valueクラスとしては、うれしい。なお、レイアウトは、廊下側にベットルームが来て、バスルームが奥。私は、ベットルームが壁一枚で廊下というのは、ドアの開閉時に中が丸見えになる事や、カーテンなどを開けにくいこと、また、防音などの点で、個人的には、このレイアウトはあまり好きではない。ただ、その代わり、Valueクラスの広さでありながら、バスルーム(トイレ)と、洗面がセパレートされた配置が実現されている。これは、女性友人同士などでは、シャワーと化粧が同時並行出来るため、重宝するとのこと。
なお、懸念されるのは、I4というフリーウェイに面しているため、車の走行音だ。実際、屋外では、結構な音量となっている。ただ、部屋自体は防音を意識して3重サッシが使われるなどしているため、「気にならない」とのことだった。(私は体験していないので、本当の所は解らない)
WDWのオフィシャル・ネイバーホテルズであり、シャトルバスなどのサービスも充実しているため、WDWへのベースとして好適である。WDWの場合、Valueクラスとなると、オールスターとなるが、コンフォートは、オールスターよりも安価であるし、かつ、WDWの北側に位置するため、ユニバーサルスタジオやシーワールド、インターナショナル・ドライブへの食事、または、アウトレットでの買い物などにも便利である。(オールスターは、WDWの最も南側に位置するため、WDWの敷地から出るだけで、かなりの時間がかかる=タクシー代も跳ね上がる)
WDWのみが来訪の目的である場合には、ディズニー直営プロパティをお勧めするが、その他にも楽しみたい、総額を少しでも抑えたいという場合には、要検討のホテルと言えるのではないだろうか。
15.8:350:233:0:0:Rosen Shingle Creek:right:1:1:Rosen Shingle Creek Sweet Room:0:
シングルクリーク Rosen Shingle Creek http://www.rosenshinglecreek.com/
ローゼンホテルズのフラッグシップホテル。230エーカーという広大な敷地にあるゴルフ場の真ん中に、1,500室のホテルがそびえ立つ。ローゼン氏はこのホテルを、自ら、コンストラクションマネジメントを行う事で投資金額を最小に抑え、自己資金のみで建設している。(その時に、フロリダ州に一部の敷地を寄付し、それがUCFホスピタリティ・マネジメント学部、通称「ローゼンカレッジ」の設立に繋がっている)
このホテルには私自身、宿泊したことがあるし、ヒアリングにも訪れている。9月には、山口大学の学生と一緒に見学にも来ている。さらにいえば、私の大学のデスクの窓外には、このシングルクリークのゴルフ場が広がっている。と、それなりに「知っている」ホテルであるが、ここは、何度来ても、そのスケール感と高級感、上質感に圧倒される。高級であるのに規模がでかい。というのは、結構な矛盾なのだが、それを可能にする経営能力には脱帽である。
11.9:233:350:0:0:チョコレート:right:1:1:チョコレートアート:0:
また、このホテルには、1つの名物がある。実は、チョコレートアートの世界第一人者のパティシエが勤務しているのだ。右の写真は、その作品の一つであるが、チョコレートに見えますか? こんな作品が、複数掲げられているのだが、そのどれもがチョコレートは思えない質感と造型。しかも、サイズがでかい。
これを見るためだけでも、シングルクリークに行く価値はあるかもしれない。
15.2:350:233:0:0:Rosen Plaza :right:1:1:Rosen Plaza Everglades Restaurant:0:
ローゼン・プラザ Rosen Plaza Hotel http://www.rosenplaza.com/
コンベンションセンターの目の前に位置するModerateクラスのホテル。日本で言えば、シティホテル。自身でも会議施設を有しており、広々としたエントランスロビーや、魅力的なレストランなど、Valueクラスとは一線を画する。ただ、客室単体でみると、ローゼンホテルのValueクラスと、あまり変わらないという難点もある。むしろ、こちらは、冷蔵庫などを標準では備えておらず、劣っている部分すらある。この辺は、Valueクラスがイノベーションによってクラスアップしてしまったために、クラス相互での一部、混乱が起きている印象を受けた。
また、この辺は、米国におけるビジネス用途とレジャー用途の意識の違いとも言えるだろう。ローゼン・プラザのようにビジネス客を利用者として想定した場合、ロビーやレストランなどの設えについて、一定以上の格が必要となる。それは、ホテル自身が一つのビジネスセンターとなるためである。逆に、客室については、ビジネス用途の場合、さほど豪華である必要はない。一方で、レジャー用途の場合、部屋で過ごす時間は長くなるし、Valueクラスほど、飲み物や食べ物の持ち込み確率は高くなる。そのため、顧客が注目する「客室」に注力する一方で、ロビーなどのパブリックスペースはさほど力を入れないということになる。
このプラザは、コンベンションセンターの目の前であるため、コンベンションセンターへの用務での来訪には好適であるが、観光用途には必ずしも向いていないという印象を受けた。
なお、このホテルで、私は、ローゼン氏本人にお会いする事ができた。いやぁ、話には聞いていましたが、確かに、愉快なおじさんでした。(笑
11.8:350:233:0:0:Rosen Centre :right:1:1:Rosen Centre:0:
ローゼン・センター Rosen Centre Hotel http://www.rosencentre.com/
センターの北側数ブロックに立地するホテル。プラザと同様のModerateクラスのホテル。会議施設やレストランなど保有する設備、その設えなどは、かなり似通っている。実質の販売価格もさほど変わらない(プラザの方が少し高い?)ことに加え、名前も似通っているので、混同することが多いらしい。実際、私もなかなか、覚えられません。
ただ、こちらは、プラザよりも北側にある分、レストラン、それも、オーランドを代表するようなアッパークラスのレストランが多く立地している点が違いとなる。
なお、客室の状況もとても似通っていて、窓からの景色も似ている。
レストランが多い分、観光用途への対応は、少し高いが、やはり、基本はコンベンションセンターを中心としたビジネス用途であろう。ただ、プラザも含め、団体への対応力は高い(コンベンションで鍛えられている)ので、団体旅行には好適であろう。
11.2:350:233:0:0:Quality Inn Plaza:right:1:1:Quality Inn Plaza:0:
クオリティ・イン・プラザ Quality Inn Plaza http://qualityinn-orlando.com/
ローゼン・センターのちょい北側に立地するホテル。Valueクラスであり、基本的な作りは、前述のコンフォートホテルと同様。こちらの方が、少し階高があることくらいの違い。部屋の作りも、とてもよく似ていて、このデザインコードが、ローゼンホテルズのValueクラスの基本形となっている事が伺える。開放型廊下で、ベッドルームが廊下側に来るという構成も同じ。ただ、駐車場と客室は必ずしも隣接して居らず、普通のホテルのような動線となっている。この方が、小さい子供連れ家族などには、好適であろう。
建物が囲む中庭にプールや、子供向けのプレイグランドが用意される構成は、リゾート地のValueクラスの基本形と言える。米国では、クラスによって、基本形がとてもはっきりしていることも特徴の一つ。そのため、顧客からすれば、そのクラスがどういったサービスを提供してくれるのかが事前に明確になり、期待値もそろう。例えば、この手のValueクラスに豪華なフロントロビーを期待する人は居ないということだ。こうした点は、日本でも参考になるのでは無いだろうか。
16.5:350:233:0:0:Quality Inn International:right:1:1:Quality Inn International ローゼン氏のオフィスはここにある:0:
クオリティ・イン・インターナショナル Quality Inn International http://orlandoqualityinn.com/
クオリティ・イン・プラザと、ロードウェイの間に位置するホテル。インターナショナルとは、国際という意味ではなく、インターナショナル・ドライブに面するという意味である。ただ、現在、リノベーション中のため、インターナショナル・ドライブからの進入は出来ず、少々、不便な状態。
ここは、低層型で、より、コンフォートホテルに近い形態。ただ、動線は、クオリティ・イン・プラザと同様。
このホテルは、ローゼン氏が初めて経営したホテルだそうで、現在でも、ローゼン氏のオフィスが建物の一角に存在している。パレスのようなシングルクリークを持ちながら、オフィスを開祖の地に持ち続けるというあたりが、成功の秘訣なのかも知れない。
クオリティ・イン・プラザも、インターナショナルも、観光用途での来訪に好適なホテルである。このクラスのホテルは、周囲にもいくつか存在しており、基本的なクラス要件の中で、それぞれがそれぞれの特徴を出しているため、一概に、どれがよいのかとは言えないが、数々の施設が集積しているインターナショナル・ドライブに面していること。ローゼンホテルズとして、裏側のオペレーションが共通化されていること(例えば、売店で販売されているサンドウィッチは、シングルクリークのデリで作成され、デリバリーされている)などは、プラスポイントであろう。
13.5:233:350:0:0: Rodeway Inn International  将軍:right:1:1: Rodeway Inn International 将軍:0:
7つのホテルを巡った後は、再び、ロードウェイに戻り、ロードウェイの鉄板焼き屋「将軍」にて、夕食。
この「将軍」は、ジャパニーズ鉄板焼きと言いつつ、最近まで、中国が混じり合ったなんだかよく解らない店舗となっていたものを、修正している段階。まぁ、もともと、鉄板焼きが日本食か?という疑問がありますが、そこに凡アジア的な要素が入って何が何だかさっぱり解らないという状態になるよりは、ちゃんとした「日本」が基軸にあるのが好ましいことは間違いありません。
ここの鉄板焼きは、現在、改良中とはいえ、海外における鉄板焼きの基本形は抑えている。例のタマネギでタワーを造って炎を燃やすなんてのも存在する。
現在の店内には、女将のテリーさん(書道8段!)が書いた書画が並び、水墨画や掛け軸が掲げられるなど、和のテイストが打ち出されつつある。また、なんと言っても、テリーさん(写真右側の女性)の着物姿が店内で映えます。テリーさんとお会いするためだけでも、出向く価値はあるかもしれません。メニューは現在、改編中のため、どういった感じに落ち着いていくのか解りませんが、いろいろとフィードバックを得て改善中とのことですので、期待できるでしょう。
ただ、私としては、「勘違い日本食」は困るが、無理矢理、日本人の好みに合わせるように変革する必要は無いと思っている。やはり、異国の地での料理ですからね。現地なりのアレンジ、考え方があって良いのではないでしょうか。ただ、どこからがアレンジであって、どこはオリジナルな状態なのか。何が同じで何は違うのかというあたりは、明確に意識する必要があるでしょうね。そこさえ出来れば、日本人の客には、米国人の好みにあわせて「ここを変えています」と言えるし、米国人の客には「ここは、日本の通常のやり方とは異なりますが、敢えてアレンジしています」と言えるようになります。
いやぁ。他にも書きたいことはありますが。さすがに、書き疲れました。この辺で。
写真を以下に挙げました。ご参考まで。
http://picasaweb.google.com/i.youichi/RosenHotelsInspection091110#

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