ブログ投稿の順番としては前後してしまったが、ディズニー系ホテルを見させて頂いた日の午前中は、ローゼン・カレッジの向かいにあるコンドミニアム「VistaCay」を見させて頂いた。
http://www.vistacayholidays.com/
このVistaCayは、基本、分譲型コンドミニアム。ただ、管理会社などが仲介することで、一般向けに宿泊施設として賃貸も行うというものである。
つまりは、不動産業とホテル業が融合したビジネス形態であり、単なるホテルでもないし、単なる別荘・リゾートマンションでも無い。
まず、ホテルとの大きな違いは、各ユニットに「オーナー(所有者)」が居ると言う事だ。
VistaCayは、日本の一般的な別荘やリゾートマンションのように、1ユニットに1人のオーナーである(ようだ)。
ただ、コンドミニアムによっては、あらかじめ権利を4分割とか8分割、16分割して分譲する場合もある。
さらに、単純に権利を分割するのではなく、1年間が約52週であることに注目して、51週+メンテ用1週間とし、1週間=1オーナーという形で販売する場合もある。これは、タイムシェアと呼ばれるものだ。季節によって、1週間の価格は異なっており、オーナーは、自分のライフスタイルと資力にあわせて購入することになる。なお、米国では、タイムシェアの場合でも、所有権登記はなされるため、れっきとしたオーナーだ。
少々、複雑な話となるのは、これらの物件は、バケーション時の滞在に好適なように造られているものの、オーナーは、実際には投資物件として持っていることが多いということだ。すなわち、購入した後、他者の「バケーション利用」に貸し出すことで、利回りを稼ぐわけだ。タイムシェアの場合は、利用期日が指定されているため、自己利用が多くなるように思うが、その期間を他者に貸し出すということも広く行われている。
日本で言えば、投資として都心のワンルーム・マンションを購入し、それを賃貸し、利回りを稼ぐというモデルに近いが、大きな違いは、もともと「他者のバケーション利用に対し短期で貸し出す」ということが、仕組みとして用意されていると言う事だ。
以下は、VistaCayのオーナーサイドのWEBサイトであるが、ここにManagement Companyというリストがある。
http://www.vistacay.com/
これらの会社は、オーナーの不動産管理という日本のマンション管理会社に近い機能に加え、他者のバケーション需要に向けたレンタル仲介・管理という、旅行会社やホテル業に近い機能を有している。そのため、オーナーは、あまり手間をかけずに、自分の物件をレンタルすることが出来る。なお、より積極的なオーナは、ネットや独自のネットワークを利用して、オーナー自らがレンタルに取り組む事は可能である。
さらに、米国では、HOA、House Owners Associationが強烈に機能しており、建物や共用施設の管理が徹底される。例え、不在オーナーばかりであっても同様だ。実際、VistaCayは、95%が投資目的オーナーで、不在オーナーであるが、その管理は徹底している。

日本では、投資目的にリゾート物件を購入しても「うまくいかない」という印象が強い。実際、過去、何度も問題となってきているし、物件によっては詐欺に代表される犯罪が絡んでくるような場合すらある。そうしたこともあって、不動産を投資物件としてみること自体を「バブル」だと捉える人も少なくないだろう。
米国でも、一昨年のサブプライム・ローン破綻に見られるように、そうした問題は存在している。しかしながら、米国の場合、投資物件として機能させるだけの「仕組み」が整っているということを意識しておく必要があるだろう。もちろん、投資であるから、失敗はあるが、そうした失敗確率を下げるように、利回りを生み出す需要(=バケーション利用の観光客)の獲得への取り組みが行われたり、敷地全体を含めた建物、不動産の価値を維持する取り組みがなされているということだ。
新しいことをするには、システムとして取り組まないと駄目だと言う事だ。
一方、バケーション利用の観光客の立場から見ると、コンドミニアムは、ディズニーではヴィラとなり、キッチンをはじめとする「生活」系設備が充実し、一般的な住宅と同様に造られているというのが、ホテルとの大きな違いである。これは、先日、サラトガ・スプリングスにて、整理を行っている。
さて、VistaCayだが、ユニットは大きく分けて、2種類。1つは、サラトガ・スプリングスのように中央にLDKがあり左右にベッドルームが配されるタイプ。もう一つは、3層型のタウンハウス・タイプである。
前者は、VistaCayでは、Executive Suiteと称しており、2ベッドルームタイプと、3ベッドルームタイプがある。
少々、暗い写真で恐縮だが、玄関ホールから即、LDK空間が繋がるというあたりが、日本のマンションとは異なる部分(写真の右側扉が玄関)。
なお、写真右手の女性が向かう先に、ダイニングがある。

寝室は、ホテルに比すれば、シンプルではあるが、広さは米国サイズであり、使い勝手は良いだろうと感じさせるもの。写真は主寝室であるが、その他の寝室も同様である。

ベランダは、さほど広くは無いものの、景色はなかなか。私は、海外研修中、写真中央の遊歩道を歩いたことがあるが、何人か、ベランダでゆっくりと本を読んでいる姿を見て、「良いなぁ」と感じた記憶がある。

一方の、タウンハウス・タイプは、日本では、住宅としてもあまり見かけない形状だ。VistaCayでは、Executive Townhouseと呼んでおり、3階建てで、3ベッドルーム、専用ガレージを持つ。ガレージは、屋内に1台分あり、アプローチにも1台分の余裕があるため、その気になれば、2台駐車も可能である。
写真で見える玄関とガレージ入り口が、1ユニットの横幅となり、縦方向に3階建てとなる。横方向ではなく、縦方向にユニットが構成されているわけだ。

こうした縦型の構造、タウンハウス・タイプ構造は、専用ガレージを持てる、ガーデンスペースを持てるといった戸建て感覚を持ちつつ、建物は共同所有することで、共同住宅としての効率性や経済性も確保するというもので、米国では普及している形態だが、日本だと、長屋に見えるのか、あまり人気が無い。ために、あまり見かけない。
建物内は、1階が、ガレージと、1つの寝室。2階が、LDK。3階に2つの寝室という構成。ただし、1つ1つの寝室は、いわゆるダブルルームであり、さほど広いモノでは無い。家族であれば、無問題だが、友人同士などでは、3ベッドルームというほどの自由度は無いと言えるだろう。

一方、LDKは、2階部分をまるまる使っているため、開放感は大きい(ちょっと幅がきつい気もするが)。

このVistaCayは、私が通っていた(住んでいた)ローゼンカレッジの、ほぼ正面にある。そのため、その周囲は、日常的に走っていたわけだが、中に入ったのは初めて。中に入った感想は、やはり、うまくやっているなぁというもの。
この手の開発は、オーランド、フロリダはそこらじゅうにある。
一方、日本では、ほとんど見ることが出来ない。さて、その差は?

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