業種によって大きな違いはあるものの、人件費は売上高のおおむね1/3程度を占める。よって、給料の3倍を売り上げとしてあげることが一つの目標となる。
給料所得者収入は全国平均で約400万円である。
これをふまえると、1人あたり年間1,200万円の売り上げが必要となる。
さらに、観光にありがちな季節性を考慮すれば、1日あたりの目標額は6〜8万円(年間実働150〜200日程度と想定)となる。
一方、観光地によって違いはあるが、観光客の現地での消費額は、日帰りで5,000〜8,000円である。宿泊では15,000〜25,000円程度となるが、1日あたりで考えれば日帰り客+α程度に過ぎない。
こう考えると、観光ベンチャーを自立的な「商売」として考えた場合、非常に高いハードルであることがわかる。
仮に日帰り客の現地消費額の50%を得るとした場合、すなわち客単価3,000〜4,000円とした場合でも、シーズン中1日あたり20人のお客さんが必要な計算となるからである。
この売上高ノルマを達成するにはどうするか。
基本は、客単価を抑えてマスを狙うか、客単価を上げてニッチを狙うかの2つの選択があろう。(続)