オーランド63日目 〜続:論文

今日も、引き続き、宿題の論文に取り組む。
今日、読んだのは、以下の論文。
A Cross-National Comparison of Consumer Perceptions of Service Recovery / Kyuho Lee Mahmood A.Khan / Journal of Travel & Marketing 2008
研究者の名前で解るように韓国の人が書いた論文である。この論文に限らず、韓国、香港(中国)の研究者は多くの論文を出している。これについては、明日、また、触れたい。
今日の論文の内容は、カジュアルレストラン、日本で言えばファミレスレベルを対象に、特に、何か問題があった場合にリカバリ出来た、もしくは、出来なかった場合において、その理由、意識については、アメリカ人と、韓国人でどのように異なるのかということをテーマにしたもの。
論文では、前段で、既往研究の整理がかなりのボリュームでなされるのであるが、この辺を読んでいくと、心理学の世界、または、文化論の世界にCSがかなり踏み込んでいることがわかる。ただ、それらについても、ちゃんと定量的に整理され、知見が積み重ねられていることに感心する。
また、CS研究とは別の視点になるが、我々は、日本人と韓国人、または、中国人との違いについて論じやすいが、こうした研究をみていると、アジア対欧米というように、アジア系は欧米系と対比させれば、かなり似通った風習、文化であることが整理されている。
実際、私が良く行くグロッサリーは、日本だけでなく、韓国とか中国、その他のアジア諸国の食材を包括的にそろえている。日本で考えたらとんでもない品揃えだが、これが意外なほどしっくりとくる。特に韓国食材との親和性は高い。こうした経験からも、アジア系というのは、根底には共通する部分が多いのだなぁと実感する。
さて、論文の結果であるが、アジア系(韓国)は欧米系(アメリカ)に比して、個人間が密接に情報をやりとりする(例えば、恋人や家族などプライベートな話をする)ことが、口コミなどにも大きな影響を与えていること。アジア系、欧米系共に、サービスに問題があった場合のリカバリ策として返金や割引が志向されることは共通しているが、アジア系では、責任者が謝罪することがリカバリに繋がっているのに対し、欧米系ではそうしたことは逆効果にもなりかねないこと。この背景には、アジア系ではサービスの不備を従業員に指摘することが、その従業員に恥をかかせると考え、個人ではなく組織(システム)に原因を求めるが、欧米系はその個人を対象にすることが指摘されている。(既往研究にて蓄積された知見より)
この論文で指摘されているように、個人の意識だけでなく、文化、風習に根ざした価値感の違いは、今後の国際観光においてとても重要な知見となることは間違いない。日本の観光にとっても、この辺の知見収集は急務の取り組み事項なのではないだろうか。
なお、今日のリーダーシップの授業では、学生を5つのグループに分け、リーダーシップを取るために必要となる「ビジョン構築」に関連して、5フォースでの外部環境分析が課題として出された。この課題を聞いて、普通に「5フォース」が出てくること。そして、その5フォースを使って、ホスピタリティ企業が対象(例:4星、5星ホテル)とした、具体的な外部環境分析が課題となること。さらに、それらの情報収集に、図書館やネットの活用が推奨されること。など、なかなか刺激的な課題であった。この授業の推奨受講年次は4年生ではあるが、こうした講義を受けると、すぐにでも実践で活用できるだろうなぁと思う。
論文だけでなく。実学というか、実践力というか。この辺にも彼我の差を感じる日々である。

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