昨日のブログでは、魅力は分解し、それを個別に見ても、総体としての魅力を図ることは出来ない。といった事を述べた。
実は、これ、CSでも同様の状況がある。
総合の満足度は、個別の満足度(こちらではディメンジョンと呼ぶ)の総和と考えるのが、こちらのCS研究でも一般的である。(総和の出し方はいろいろある)
ただ、この場合、私自身の研究でも、せいぜい50%程度の説明力しかもたない。
統計の世界、それも、実社会を対象とした統計において50%程度というのは、かなりの高さであるのだが、推計に使うには、やや、心許ない数値です。
米国の研究は、この精度を上げる方向ではなく、経営との関係から、ロイヤリティとの関係や、(文化や国による)ギャップモデルに力点が移っているので、あまり、既往研究は無いのが実情。
では、この残る50%程度には、何が隠されているのか。
まず考えられるのは、調査で得られていない隠れた個別項目があるのでは無いかという事。しかし、これは、私自身、または、既往の他調査をみてもあまり効果は見られません。
次に、あまりに個人差が大きく、表面的な統計的な処理では対応できていないという問題もありえます。これは、誤差に注目し、丁寧に整理していくことで突破口が出てくる可能性があります。
第3点として、個別満足の総合満足度への反映のさせ方の問題。米国では、数量化理論が無いので、直線的に適合させていますが、両者は直線的な関係とは限らない。これは、私がチャレンジしていますが、いけそうな気がしています。
ただ、これがうまくいっても、劇的にあがるかといえば、そうではないでしょう。
第4点として、個別の要素が顧客の心理の内部にて、反応しあって、相乗効果(もしくは、相殺効果)が、生じ、全く新しい「全」を構築しているのではないか。ということです。これは、心理学で言う「ゲシュタルト(gestalt)」に近い感覚であり、これに触れている論文も存在しています。
これを前提とすれば、実は、前述した50%が、ゲシュタルトそのものとなります。さらに、私がWDWで感じた「経験を途切れさせない事で、魅力を増大させる」効果にも繋がってきます。すばらしい。(笑
ただ、それをどのように証明するのか。
ちょっと悩んでみることとします。