Discussion of Destination Branding.

オーランド100日目 〜サービスとホスピタリティ

とうとう、100日となりました。アメリカ滞在の、ほぼ、中間点です。
当初、目的としていたCSについては、かなり、「わかってきた」と思っていますが、一方で、関連する他の関連分野についても知的好奇心が出てきます。
例えば、CSは、分野としては、ホスピタリティマネジメント系に位置しますが、その源流はサービスマネジメントとなります。CS系の論文でも、読み応えのある論文は、サービスマネジメント系の研究誌に掲載されており、学術研究レベルにおいて、サービスマネジメント系の方が上位に来ていることは、明らかです。
現行では、製造業−>サービス業−>ホスピタリティ産業という図式の中で、既往の知見の中で、ホスピタリティ産業の特殊解について研究をしているという状況にあるのが実情である。その意味で、真に理解し、普遍的な知見を創造するには、その上位に来るサービスマネジメント全般についても網羅する必要があることを感じている。
もっといえば、ツーリズム系のマネジメント分野(例:ディスティネーションCSなど)は、前述の図式では、ホスピタリティマネジメント−>ツーリズムマネジメントという位置づけにあります。なぜなら、ホスピタリティマネジメントにて形成された知見、モデルを応用しているためです。そのため、地域のマネジメントについてちゃんと整理しようとすると、少なくても、ホスピタリティマネジメント全般を習得する必要があることになります。私自身、CSの整理に当たっては、製造業での取り組み−>サービス全般での取り組み−>ホスピタリティ産業での取り組み−>地域での取り組み、というような順番で行ってきています。
断片的な知見だけで、いろいろやってみても、蓄積されてきた分厚い知見に比すれば、徒労に過ぎず、ちゃんとやるなら、そうした知見を踏まえて対応しないと駄目だということですね。その意味で、ホスピタリティマネジメントも、ツーリズムマネジメントも、ここアメリカであっても、まだまだ、未成熟、言い方を変えれば成長分野の領域にあります。
ところで、日本では、「サービス」という言葉自体の意味が、異なる用法となっているため、サービスとホスピタリティという話をすると、「サービスは無料で、ホスピタリティは有料」というようななんだかよく解らない話も出てきます。
http://www.google.com/search?hl=ja&rlz=1B5_____jaUS330US330&q=%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%80%80%E3%83%9B%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
この混乱の背景には、
まず、サービスを従来、日本で日常語として使っていた「無料での気遣い、おまけ」という意味で捉えていること。
次に、日本人にとって新しい言葉である「ホスピタリティ」をホスピタリティ産業として捉えずに、ホスピタリティだけで取り出して、その意味を「おもてなし」と訳してしまったこと。
さらに、サービスとホスピタリティという話が、経営力の革新と関連づける文脈にて取り上げられたこと。
そのため、その差は、無料か有料かという話になってしまったのでしょう。
すなわち、ちゃんと本国での用法を調べること無しに、日本語的なセンスにて整理してしまったことが原因と言えます。
このことも、対象が新規領域であるにもかかわらず(そこまでの歴史的な経緯を把握していないにもかかわらず)自らが持っている知見のみで、いろいろと整理してしまうことの危険性を示していると言えるのではないでしょうか。
特に、日本語となっている英語については注意が必要であることを示しています。
少々、話が脱線しましたが、知見を創造するというのは、自分の頭だけでは出来ないのだろうということです。一方で、過去の知見のみに縛られていては新しい知見は創造できません。過去の知見を踏まえながら、いかに新しい知見を創造するか?が重要なのです。
ピザム学部長は、こうした知見創造について4段階に整理しています。

  1. 自分がもっている知見の範囲で考える
  2. その分野について、他者が整理した知見を移入してくる(ナレッジ・トランスファー)
  3. 他者が整理した知見、研究手法を、自身の分野において適用し、新しい知見を創造する(コピー・キャット)
  4. 他者が整理した知見を踏まえた上で、自身で新しい領域において、新しい知見を創造する(ナレッジ・クリエイト)

残念ながら、日本の観光分野、ホスピタリティマネジメント分野は、1,2の段階にとどまっているのが実情ではないでしょうか。
私自身は、日本にいるときには、3,4をやっているように思っていましたが、決定的に違うのは、他者との関係です。端的に言えば、英語での論文として発表していないために、国際的な他者から検証(批判を含む)に対応していないということです。
いろいろと。むずかしいですねぇ。

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