Discussion of Destination Branding.

オーランド135日目 〜シーワールド売却に見る米国的経営

オーランドにある3大テーマパークの1つである「シーワールド」が、先日、$2.3billion、すなわち、2,300億円で売却された。
買い手はBlackstone。投資会社だ。
http://www.wftv.com/news/21228103/detail.html
Blackstoneは、既に、ユニバーサルスタジオ・オーランドの約半分の株主ともなっており、Disneyにつぐ、第2のテーマパーク・オペレーターとなった。
もともと、シーワールドは、Anheuser-Buschという、バドワイザーをもつビール会社がつくった「ビアガーデン」がベースとなっている事は、以前、このブログでも示している。
http://www.resort-jp.com/ppBlog17/?UID=1252974581
実は、この親会社自体が、以前、買収され。その新オーナーのもとで、再編が進めれてきていた。もともと、ビアガーデンから発展してきたとはいえ、現状では、本業との関連は低く、相乗効果も得にくいため、「売却は時間の問題」とも言われていたようだ。
投資会社が買収し、部門を切り売りする。というのは、日本ではどうにも印象がわるい行為だが。米国の投資家としては、きわめて通常の選択となっている。その資産が、経営に本当に必要なのか。そうしたことが、財務データからシビアに判断されるからだ。
結局の所、米国では、最終的には「財務」が全て。と言えるだろう。
これは、悪いことなのか。感情的な「うーん」と思うところもある。
しかしながら、これは、妥当なことなのだろう。なぜなら、結局の所、「人様のお金」で商売させていただく以上、その人たちの価値基準に従って、行動する責任があると思うからだ。
http://www.resort-jp.com/ppBlog17/?UID=1253820103
上場している以上、株主という「人様」に依存する訳で、その株主の期待利回りを上回る成果が求められるようになる。
これは、当然のことと考えるべきだろう。
このように考えると、非常にシンプルである。こうしたシンプルさを上回る理屈は考えつきそうにない。
でも、株主、出資者が、限度を超えてどん欲になってしまう事例も、数多い。資金が暴動を起こすといった感じだろうか。
企業よりも出資者が強いということが引き起こす大きな問題だろう。
では、「自分の夢に忠実に事業を行うことは出来ないのか」という疑問が出てくるが、そうした場合は、自前、もしくは、通じ合える仲間の「お金」で勝負すべきなのだろう。
例えば、米国でも有数のリゾートであるアスペンは、未だに、プライベートカンパニーであり、上場していない。
ちなみに、銀行からの融資、借入金は、あらかじめ利回りが決まっているものであるため、その返済が滞ることがなければ文句は言われない。(貸しはがしという話があるが)
観光を「産業」として自立させていくためには、必要な「資金」を途切れることなく調達する必要がある。
そのためには、「融資」「出資」をしてくれる人に、彼らの言葉、価値観に基づいて説明できることが必要だろう。
こうした財務面からの「監視」が、産業を強くするという点もあるだろう。「思い込み」ではなく、しっかりと「説明」できる能力が必要だからだ。
そして「説明」できることは、物事をより深く知ることに繋がる。
私も大学で非常勤講師を行ったり、セミナーで話したりするが、「人に説明する」というのは、「自分が理解した(つもりになる)」ことよりも数倍、負荷のかかる。それだけ、物事を「深く」理解していることが求められるからだ。
「財務」を、出資者の視点、価値観で話せるようになるということは、より深く財務を知ることになる。それは、また、自身の経営の改善にも繋がるだろう。
つまりは、「相手のことをしること」 これが、やはり重要なのだと思う。

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