オーランド156日目 〜現地旅行会社系の方々と情報交換

今日は、先日、名刺交換をしたJTBオーランドのBranch Manager、RosenホテルのJapanese Leisure Sales Liason、そして、オーランドでDMCとして活動しているJapan American ToursのPresidentのお三方と、「情報交換」の場を持ちました。
お三方の立場は、それぞれ異なりますが、日本からオーランドに来る観光客が主たる需要となっている点は共通項。
そして、「オーランドの魅力は、大きく進化、拡張しているのに、なぜ、観光客は増えないの?」という点も共通の課題意識。
そして、お三方とも「女性」というのも共通項。1対3で囲まれる機会はそうは無いので、いやぁ、緊張しました。(笑
Anyway。2項目の「なぜ、観光客が増えないのか」については、いろいろと考えさせられました。正確に言うと、オーランドは、90年代半ばにピークがあり、その後、減少し、横ばいという状況(すいません。正確なデータは私は持っていません)にあるとのこと。この辺の傾向は、ハワイと同様。
ちなみに、日本の海外旅行者数は、90年代の半ばから横ばい。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6900.html
つまり、海外旅行者数の伸びが止まった頃に、オーランドへの観光客数の伸びが弱まり、その後、減少していったということになります。
日本からの海外旅行者の動向については、私が所属する財団でも、分析を継続的に行っていますが、非常に簡単に言えば、新規市場(はじめて海外旅行をする人)が乏しくなり、海外旅行経験者が継続的に旅行に行っているという状況にあります。
人がなぜ、旅行するのか。そして、なぜ、そのディスティネーションを選ぶのか。については、多くの研究論文が出ていますが、その中で、需要が「知らないところに行きたい」と「知っているところでくつろぎたい」という2つに大きく別れることについては、異論の無いところです。
日本だと、前者を観光需要、後者をリゾート需要といった区分もされますが、こちらの論文では、前者は、「ノベルティ・シーカー」と呼び、いつでも新しいディスティネーション、刺激を探し求めていく姿を表現しています。
さて、日本では、90年代半ばまで、何度かのブームの形を取りながら、海外旅行者数が増大してきましたが、(言葉や文化の問題の無い)国内旅行ではなく、海外旅行を選択している時点で、志向として「ノベルティ・シーカー」の傾向が高い人々が多いのではないか。という仮説が提示できます。ハワイやオーランドという、特徴的でありながら整備されたディスティネーションは、初期のノベルティ・シーキングの格好の対象となります。
それが、新規市場が流入していた90年代半ばまで、オーランド(そしてハワイ)が、がしがしと日本人客を増やしていた理由かもしれません。
問題は、こうしたノベルティ・シーカーは、常に新しい刺激、ディスティネーションを目指していきますから、一度、来訪した地は、対象から外されがちです。結果、今日のような状況においては、かつて人気を集めたディスティネーションほど、厳しい状況になります。
実際、私が、オーランドに来るとなった時、オーランドへの訪問経験がある知人はかなり居ましたが、皆、「かなり前に行った」というもので、「2度3度と来た」とか「近年、来た」という人はほとんど居ませんでした。
もちろん、超がつくくらいのリピーターは、オーランドに存在します。WEBで「オーランド ディズニー 旅行記」などで検索すると、そうした人々のブログなどが、かなりの数出てきます。そして、その多くが、とても、精緻で、ディズニーの描写などは、それこそ、私のブログなどとは比較になりません。
ただ、彼らは、ノベルティ・シーカーではなく、ディズニーに惚れ込んでいる人たちであり、コア層にはなり得ても、数の確保は出来ません。ちなみに、ディズニーは、継続的な魅力向上、維持策を自社で講じてくれるでしょうから、彼らは、中長期的にコア層で居続けてくれることが期待できます。
しかしながら、オーランドへの観光客数を増加させるには、ノベルティ・シーカーに、再び、目を向けてもらう必要があるでしょう。
そのためには、おそらく、「脱ディズニー」が必要でしょう。
例えば、沖縄は、国内で敵無し状態ですが、沖縄のプロモーションに「ビキニの女性」が登場しなくなってかなりの時間が経ちます。同様に、ハワイも、かつてのイメージシンボルであったダイヤモンドヘッドを望むワイキキビーチの写真は使っていません。もちろん、実際に、訪れれば、イメージの基調は「青い海と白い砂浜、そして青い空」であることに違いはありません。でも、そうした「ノベルティ」では、ノベルティ・シーカーを惹き付けられないわけです。
ディズニーが、いかに改修を続けようと、ユニバーサルスタジオがハリーポッターゾーンを新設しようと、それは、テーマパークという一つの軸線上において改善が行われるだけであり、テーマパークに興味のある人の関心はよべても、ノベルティ・シーカーが求める「ノベルティティ」にはなりません。
例えば、コンベンションは、全く異なる軸であり、これは、オーランドにとって、大きなインパクトを持っていると思います。が、日本から、コンベンションのためにオーランドに来るというのは、非現実的ですねぇ。
ディズニーでもない、コンベンションでもない。そんな魅力軸をどう仕立てるのか。その辺がポイントになるような気がします。
13.6:350:263:0:0:昭和天皇の似顔絵:right:1:1:昭和天皇の似顔絵 他にも著名人の似顔絵(サイン付き)が多量に掲示:0:
実のところ、いろいろ小ネタはあるのです。今日の「情報交換」でもいろいろ出ていました。例えば、世界一のパティシエが居るホテルがあったり、昭和天皇をはじめ多くの著名人の似顔絵が掲げられたレストランがあったり、地ビールがひっそりと売っていたり。
でも、まぁ、「小ネタ」であることも違いない。これらをどんなに集めても、なかなか、力とはなりそうにないのも事実です。
これらの「小ネタ」を束ねるメッセージ性が欲しいですね。例えば、アメリカのリゾート文化とか。NYCが、世界に冠たる最先端都市文化の発信地であるなら、オーランドは、新時代のリゾート文化の発信地とか。
実際、生活してみて思いますが、オーランドというところは、一週間でも、二週間でも、一ヶ月でも。その滞在期間にあわせて、その滞在スタイルを大きく変える事のできるディスティネーションです。例え、一ヶ月いたとしても、毎日、異なることが出来るくらいの「体験」が存在します。世界中でみても、これだけ凝縮されているディスティネーションは、おそらく、ここだけではないでしょうか。
こうした特徴を、新しいコンセプトで表現出来るようになると、オーランドの見方は変わってくると思います。
ただ、そのためには、オーランドCVBも巻き込んだ、おおがかりなディスティネーション・マーケティングが必要になります。オーランドCVBとしては、テーマパーク&コンベンションで競争有意なポジションを獲得しているわけですから、敢えて、「少数市場」である日本市場のために、こうした取り組みを行ってくれるかは、微妙ですねぇ。
9.9:180:350:0:0:ひっそりと売られている地ビール:right:1:1:ひっそりと売られている地ビール。名称は、敢えて、日本語訳しません(笑:0:
私個人としては、このブログでも何度か書いてきているように、ディズニーは、日本で考えるテーマパークの域を超えており、かつ、日々、進化する様は、それだけで、十分以上のノベルティになると思います。しかし、それは、実際に、ここで何度もディズニーに行っているからであり、かつ、少々、普通の人とは異なる視点で見ているからだと思います。この感覚を多くの人に伝えることは、とても、むずかしい。
ちなみに、信用されないでしょうが、私はディズニーのビジネスモデルに興味があるのであって、ミッキーが好きなわけではありません。ディスニーに対して、信頼はもっていますが、コミットメントは低いというところです。あまり、説得力はありませんが。

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