今日は、フロリダ半島の東海岸北部にあるセント・オーガスティン(St.Augustine)に出かけました。
オーランドからは、I4を東へ終点まで移動し、そこからI95へ乗り換えていきます。走行距離は測りませんでたが、おそらく130マイルくらい。キロにすると、210kmくらい。たっぷり2時間かかりましたね。
セント・オーガスティンは、もともとスペインがフロリダを占有していたときに、その拠点となっていた軍事拠点で、海に突き出した要塞と、その背後のダウンタウンというつくりになっています。
アメリカでも最も古い木造教室とか住宅が現存など、米国としては、とても古い歴史が今に残る町です。
こうしたヒストリック地区は、フロリダの各都市にもいくつかありますが、ここセント・オーガスティンは、要塞跡も含めて面的に建物や路地などがまとまって残っているところが特徴です。
そうした歴史的な建物や景観の資源性を絶対的に評価すると、日本の小京都とか小江戸をイメージすると良いかと。城址と武家屋敷、商人街といった感じです。大分県の杵築とか、日田とか。
ただ、来訪して感じたのは、日本の小京都は基本的に日帰りのまちであり、宿泊機能も、飲食機能も弱いのに対し、ここセント・オーガスティンは、多くのホテル(B&Bタイプを含む)と飲食店が町中に共存していることです。
日帰り客対応も秀逸です。パブリックの駐車場が、町を取り囲むように何カ所か設置されていて、それらがインフォメーションセンターに隣接した配置になっています。観光客は、車を駐車したのち、インフォメーションセンターで情報を収集し、まちに繰り出すことになります。おかげで、町中には一般車はほとんど入ってこず、のんびりと散策することが出来ます。さらに、2社くらいが、町中をまわるトロリーを走らせていて、それを利用することで、さくっと全体象を把握する事も出来ます。
その一方で、いわゆる「観光地」としての機能純化してしまっているので、この町に普通に暮らす人たちの匂いは感じることができません。(町外れの方に行くと、幾分、感じられましたが)
ただ、ヨーロッパの歴史的な小都市でも同様の印象を感じましたし、日本でも、観光客が多い所は同様の方向になっていくので、それだけ、観光地としての整備が進んでいるということなのかもしれません。
でも、日本で言う「観光地化」と大きく異なるのは、見苦しい広告やのぼりなどが、乱立したり、安直な飲食店、物販店は皆無というところでしょう。屋外広告系は、完全に規制されていますし、飲食店や物販店も、町の雰囲気に溶け込む建物の中に展開しており、景観を崩すようなことがありません。まぁ、中身は、「…..」というものも少なくはありませんが、外観は整っていますから、まちなかをブラブラと歩く限りは、影響はありません。
日本では「観光地化」を、地域の魅力を低下、おとしめるものとして捉えがちですが、別に、多くの観光客が来て、その観光客目当ての店舗が多く立地しようと、屋外広告や景観(建物外観を含む)規制をちゃんとやれば、実は、無問題なのではないかということを感じます。
この辺は、もっと、研究する必要がありそうです。
写真は以下に。
http://picasaweb.google.com/i.youichi/StAugustine091121#
3時間ほど、町に滞在した後、A1Aという海沿いの道路で、南下し、デイトナビーチ方面に向かいました。
セント・オーガスティンからデイトナビーチまでは、おそらく、50マイル以上ありますが、この道沿いも、多くのホテル、コンドミニアム、個人の別荘が建ち並んでいました。全く、その手の建物がないところは、国立公園くらい。海沿いで道路が抜けているところは、多くが、開発対象になっているという印象です。(密度は、クリア・ウォーターほどではないですが)
もちろん、こうした不動産開発の背景に、サブプライムが絡んでいたわけですが、それでも、フロリダ全体で、こうした開発、投資が、どれだけの規模で行われているのかと考えると、気が遠くなります。
こうした開発の評価には、いろいろな見方はありますが、セント・オーガスティン程度のまちに複数のホテルが立地していることや、こうしたリゾート物件が各所に整備されていて、しかも、安価に利用できるという環境は、一市民として、うらやましい限り。
需要と供給は、鶏と卵のような関係でもありますが。日本では、何が間違ってしまったのでしょうね。経済規模から考えたら、90年代なら、もう少し、いいところにいけたと思うのですが。国土の広さ。ですかね。無力感。