昨日、新聞各紙が首記件の報道を行った。
情報ソースはこちら。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/21/21p/mk21p.html
バブル期に、日本は「働き過ぎ」と諸外国(特に米国)より指摘され、当時、マスコミでもかなり騒がれていたために、日本人は、「世界的に見て、長時間労働となっている」という意識を持っている人が多い。
しかしながら、以下の資料などが示すように、実のところ、日本の労働時間が「順調に」減り続け、欧米諸国のそれとさほど差が無くなっている。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3100.html
ただし、これらの数値は、「平均値」であり、分散が解らない。昨今、日本で問題視されているように、正社員と派遣、パートなどでは、労働時間に大きな差があるとされるため、日本は、分散が他国に比べるととても大きいのではないかという推測は成り立つ。いわゆるサービス残業のように、統計値にあがってこない労働時間も存在しているだろう。
ではあるが。全体として、こうした「労働時間縮小」のトレンドが起きていることは確かだと言えるだろう。
さて、ここから、1つの事が指摘出来る。
昨今、旅行離れが指摘され、実際、統計的にも国内旅行の総量は縮小傾向にある。
そうした縮小理由に「休まないからだ」という話は必ず出てくる。その説明として年休取得率も低さもあがる。
ただ、もともと、休日数だけで言えば、日本の祝日数は、トップクラスにある。
http://www.jetro.go.jp/biznews/holiday/
年休取得率が低くても、「休んでいる」のである。
さらに、今回の厚労省のデータによれば、さらに、労働時間も下がっているのである。
つまり、「時間」はある。「休んでもいる」
が、旅行市場の拡大には「全く」繋がっていない。
むしろ、市場は縮小。底抜け状態にある。
このことから、「時間が無い」からというのは、本質的な理由では無く、所得や将来展望のほうが強く効いているのではないかという仮説は立てられるだろう。
実際、年休取得率の低下に関しては、以下のようなレポートもある。
http://www.jil.go.jp/mm/ym/20030314.html
※残念ながら、ソースは公開終了となっているようだ。
国内旅行需要喚起のためには、年休取得の推進とか、休日の分散化などではなく、時間ではない部分が制約になっている人たちが「旅行に行きたくなる」環境づくりが必要なのではないか。
たぶん、それは、収入だろうと思うのだが。さて。