正しく怖がる

昨日の北朝鮮の弾道ミサイル。Jアラートが広範囲で動いたためか、FBのタイムラインも引っかき回したような騒ぎになった。

ただ、むやみに怖がる人も居れば、逆に「どうせ」という無視を決め込んでいる人もおり、ちょっと引っかかったので。
ただし、私は、軍事専門家ではないので、外している可能性はあるので、あしからず。

弾道ミサイルと巡航ミサイル

まず、理解しておきたいのは、北朝鮮が発射しているミサイルは、基本的に弾道ミサイルだということだ。弾道ミサイルというは、その名の通り、弾道軌道を描いて飛んでいく。弾道軌道というのは、いわゆる放物線。ボールを投げたときの軌跡だと考えて良い。つまり、弾道ミサイルというのは、ミサイルとはいうものの、大砲や拳銃、もっといえば、ロケット花火とそう変わらない。

これに対して、米軍のトマホークに代表される巡航ミサイルは、無人飛行機に爆弾がついているようなものであり、自立的に軌道を変えながら飛行ができる。戦闘機が空中戦で使う空対空ミサイルや、防空に利用する地対空ミサイルも、大きなジャンルでは、これと同じである。

これはどういうことを意味するかといえば、北朝鮮ミサイルはピンポイントでの攻撃能力を持たないということである。平壌と東京の距離は1300km弱だが、この距離を弾道軌道で飛ばして、ピンポイント(=誤差数十メートル)で着弾するというのは、ほとんど考えられない。実際、着弾の半分の標的の数百メートルにあれば御の字という状況だ。

だいたい、小学校の校庭の斜めのラインが100mなので、弾道ミサイルが小学校を狙ったとしても、小学校の敷地を大きく越える半径250m〜500mくらいの範囲に着弾するのがやっとという事になる。

通常弾頭の破壊力

北朝鮮ミサイルの積載量は1tとされる。
1tという重さは、バンや小型のトラックレベルでしかたない。イメージとしては、ライトバンに爆弾を満載しているくらいとなる。

爆弾の破壊力は、それぞれであるが、例えば、WW2時のドイツV2ロケットは、ほぼ同様の弾頭重量で、ロンドンに500発以上着弾されたとされる。で、ロンドンは壊滅したかといえば、当然被害はあったものの、それは限定的である(だからこそ、反攻作戦が実施できた)。

また、同じくWW2時でいえば、B29一機の爆弾搭載量は9t。映像などで出てくる爆弾は概ね250kgなので、4発分となる。

もちろん、時代の経過と共に、同じ重さでも破壊力を高める工夫はされているが、仮に2倍とか3倍とかのレベルになっていたとしても、その破壊力は限定的である。

原発問題

着弾精度は、数百メートル単位で、かつ、破壊力も自動車爆弾1台分程度だということを考えれば、「原発を狙うことで大惨事」というのは、あり得ないことはわかる。

原子力建屋は、50m四方より小さい。つまり、小学校の校庭よりも小さい。その建屋に対して、1000km以上離れたところから、弾道ミサイルを直撃させることが出来たとしたら、それは奇跡に近い。

さらに、仮に直撃したとしても、所詮、自動車爆弾程度でしかない。一般の建物よりも強固に建てられており、かつ、内部も何重にも渡り保護されていることを考えれば、放射性物質をまき散らすような破壊を達成することは困難。

一方、原発を狙ったのに、外したとなれば、これは、言い訳の出来ない悪意を示した事になる。激烈な報復攻撃を受ける事になるだろう。この非対称性はさすがに無視できない。

避難方法

政府が示している避難、防護方法について「そんなんで守れるか」という記事が出ているが、通常弾頭であれば、直撃さえされなければ、後は、爆風による被害や、火災による被害が発生するのみである。WW2時、米軍は通常弾頭ではなく焼夷弾を利用したが、これは「やわらかい」日本の住宅は爆弾より、焼夷弾のほうが有効だったということである。

現在の日本家屋は耐火性能も高まっており、耐火帯の整備も進められており大規模な火災リスクも低下している。となれば、脅威は爆風であり、その意味で、窓のないところにいくとか、頭を守るというのは合理的な指示である。

核弾頭の破壊力

一方で、通常弾頭ではなく、核弾頭となると、全く話しが変わる。メディア報道に寄れば、北朝鮮は、50ktの核弾頭を重量1t以下に小型化できたとされる。広島原爆が15ktとされるので、3発分となる。

その被害範囲は数十キロとなるから、着弾精度が数百メートルだとしても、ほとんど関係無い。

正しい対処法

つまり、通常弾頭であれば、数十メートルの中で、生死をわけるという状況であり、助かるか否かは、瞬発的な行動にかかっている。

一方、核弾頭が搭載されている場合、核シェルターレベルに逃げ込まなければ、まず、助からない。

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