このところ、CS系の話をしてこなかったが、7月からは、昨日のブログなどで示しているリーダーシップ&戦略マネジメントの受講と平行して、CSを中心とした論文の読み込みを進めている。
具体的には、以下のような論文をこの一週間で読んでみた。
- Using visit frequency to segment ski resorts customers, Rodoula Tsiotsou 2005
- The impact of satisfaction and image on loyalty:the case of Alpine ski resorts, Rita Faullant, 2008
- An Empirical Assessment of the SERVQUAL Scale, Emin Babakus, 1992
- A Strategy for Customer Satisfaction, Jonathan D. Barsky, 1992
はじめの2つは、スキー場&CSで探してみたモノ。2つ目は、なかなか面白かったが、1つ目はハズレ(笑)
2つ目の論文で面白かったのは、初来訪者を再来訪させる(ロイヤリティを確保する)には、その時の満足度が非常に効くが、既にリピーターとなっている人をさらに再来訪させる場合には、満足度だけでなくそのスキー場に対するイメージ(ブランド)が効くというもの。まぁ、ブランドやロイヤリティの定義をどう考えるかという点はあるのですが、その人の心にブランドを刻めれば、少々、来訪時の満足度が低くなっても、再来訪意向(ロイヤリティ)はあまり変わらないという事です。
この辺は、初期段階で満足度を得ることの重要さを示すと共に、顧客とのコミュニケーションの中で、共有できるイメージ(ブランド)をつくっていくことの重要性も示していると思います。
一方、3つ目、4つ目は、発表からすでに17年が経っていて、現在のCS研究からみれば古典的なもの。ちょうど、サービス分野でのCSが注目を集め始めていたころのものであり、そうした議論経緯をしり基礎力を養うためと思って、読んでいる。
なお、SERVQUALについては、たまたま、日本語の論文も見つけた。SERVQUALを実際にどのように利用するのか、また、その課題は何かについては、「日本語なので」理解がしやすい。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006457264/
ただ、大変、筆者には大変、申し訳ないが、この論文(2007年発表)の論点(SERVQUALに対する疑問点、改善策)は、実は、前述の3項目の論文の内容とかなりオーバーラップするものである。
SERVQUAL自体が、その後も改訂をしているということもあるが、15年経って、同じような切り口で研究するというのは、どうなんだろう。という気はする。この辺も「知識移転に伴うタイムラグ」と考えるべきなのだろうか…。
まぁ、私自身、「明らかにしなければ」と思っていたような事が、こちらでは、あっさりと実証されていたりもしているので、状況は似たようなものです。それだけに、ネット時代なのにも関わらず存在している情報格差にやりきれない思いにもなるのですが。