米国は、製造国を明示することが法律で義務づけられているために、例えば、ボールペン1つでも、製造国を確認することができる。そうしたものをみていると、こちらの物販店で並んでいる商品の多くは中国製となっていることがわかる。
日本製といえば、自動車に電化製品が連想しやすい。確かに、町中には多くの日本車が走っている。ただ、韓国のヒュンダイもかなりの率で走っていて、アメリカのビッグ3+日本車(トヨタ、ホンダが多い感じ)+ヒュンダイでほぼすべてという感じである。
一方、電化製品では、日本製の露出は、かなり低い。TVはサムソンなどが幅をきかせていて、日本のメーカーのものははじに追いやられているし、家電用品ではほとんどみることはできない。音楽系はiPodが主体だし、パソコンでは台湾製が、携帯電話はNOKIAやLGなどが押さえている。
日本製の露出が多めなのは、デジカメ、そして、ゲームの分野くらいだろうか。
ただ、デジカメでは、ソニーと、ニコンが2強。3位グループに、オリンパス、サムソン、コダックなどが続く。日本ではかなりのシェアを持つパナソニックはベストバイには存在しない。富士フイルムも同様である。
ゲームは、日本の状況とあまり変わりない。任天堂がDSとWiiで一番人気。その後を、ソニーのPSP、PS3、MSのXBOXが追うという感じだ。
正直、予想以上に、「日本製」の存在感は薄い。
日本にいれば、家電製品はほぼ100%、日本メーカーのものであり、日本メーカーの威光を感じるが、米国ではすでに、韓国や台湾がかなり侵食しているのが実態である。
ただ、それ以上というか、それ以前に。日本の「ホスピタリティ産業」というのは、ほとんど意識すらされていない。一応、本屋に行けば、日本を対象とした観光ガイドは売られており、ディスティネーションの1つという意識は感じられるものの、「産業」の印象は薄い。せいぜい、日本食レストランくらいであろうか。
輸出をしないと経済規模が維持できない日本であること、そして、製造業が厳しい状況であることを考えれば、付加価値の高いホスピタリティ産業を育成していくことは、経済成長(維持)に直結する取り組みであるのではないだろうか。
そんなことを考えさせられる日々である。