Discussion of Destination Branding.

旅行会社の事を考える

EDITは、アジア太平洋地域のツーリズム振興をベースとしているから、国際観光が主たる話題となる。
そこでよく言われるのは、日本は大きな市場だが、これからは中国、その先はインドなどが注目されるという話である。
確かに、日本のVJCでも中国は大きなターゲットであり、あの人口規模は魅力的である。
ただ、ふと思った。
そううまくいくのかな。と。
日本がここまで、海外旅行大国になったのは、人口規模が一億を超えていただけではなく、発地側の旅行会社が強かったからではないだろうか。具体的には、世界的にも規模がずば抜けているJTBが日本にあったからではないか?
では、そのJTBはなぜ、そこまで大きくなれたのか。
それは、国内旅行の振興で、資金と人材を蓄積することが出来たからだろう。この背景には、東京圏に人口が集中する一方で、北海道から沖縄まで様々なディスティネーションを国内に抱えるという発地側旅行会社に好適な条件にあることが挙げられる。
同様の事例は他にも挙げられる。
自動車は、日本にとって主要な輸出産業であるが、はじめから海外に軸足があったわけではない。戦後、米国製に圧される中で、中小あまたの自動車メーカーを(通産省の指導で)集約、再編し、国内市場を対象に技術、資金、人材を蓄積し、基礎体力を高め、海外へと打って出たのである。
話をツーリズムに戻そう。
日本のアウトバウンドとJTBとの関係から、以下の事項が指摘できるのではないか。
・アウトバンドの増大、特に、ディスティネーションとしての認知が未だ弱い地域では、発地側旅行会社の存在が重要である。
・発地側旅行会社が成長するには、国内市場の充実が重要である。
すなわち、ディスティネーションとしての認知が未だ弱い地域がインバウンドをねらうには、発地側の旅行会社と連携するだけなく、未だ先方のパワーが足りない場合には、育てていくことも考えたい。
どん欲に新しいディスティネーションを探し続けるような発地側の旅行会社になってもらうということである。
具体的には、資本参加が考えられるが、このほか、CRSの提供(共同開発でも良いだろう)、人材育成プログラムの提供なども考えられる。これは、知的所有権を主張できる状態にしておくことで、長期的な関係を築くことにつながる。
なお、ハワイのようにすでに国際的に認知されているディスティネーションは、インターネットの普及と、その内容の充実によって、FITなどによる個人客を集めていくことが出来るため、着地側の取り組みでの対応が可能であるう。
それでも、海外旅行の明瞭期においては、発地側の旅行会社の位置づけは非常に大きい。
こう整理してくると、ITやFITなどの動きと、旅行会社の関係なども整理(棲み分け)できそうな感じがする。(続)

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