オーランド20日目 〜2冊目 読了

さて、昨日、積み残した2冊目、最後の2章です。

Chapter5.From Data to Information

前章までで取得したデータを分析し、情報にする。という章。
データと情報は違う。というのは、ある先生も指摘するところであるが、データはそれだけでは、単なる数表に過ぎず、それを意味あるものにしたのが情報ということだろう。
さて、本章は、1章だけで40ページもあり、かつ、内容が具体的な分析手法に関することであるにもかかわらず、あまり、その分析過程が示されておらず、読破するのに少々、手間取った。
基本は、満足度を「被説明変数」とし、各要素を「説明変数」とした回帰式を解くという計算モデル。だが、回帰モデルの場合、多重共線性(Multicollinearity)があると、1つしか変数が選択できないという問題がある。
本書では、それを、主成分回帰分析(PCR/Principal-componets regressiin)にて対応している。確かに、PCRを使えば、説明変数を捨てることなしに、分析が可能となる。
なるほどねぇ。という感じ。ただ、実際に動かしてみないと、状況はわからない。後日、試してみたい。
その上で、実際の収益と満足度、ロイヤリティとの関係についても、整理をすべきだと指摘している。
これは、満足度、ロイヤリティを取得した上で、後日、その施設の財務状況とつき合わせることで、実際に満足度、ロイヤリティが高い人が、再来訪など収益に貢献しているのか、または、複数の施設を有している事業者の場合、満足度やロイヤリティの高い施設が、収益の高い傾向にあるのかといった取り組みである。
ここで、興味深かったのは、筆者が行った大規模なホテルチェーンの場合、立地によって、満足度と収益の関係には大きな違いがあったということ。競合が激しく、かつ、リピーター利用が多いような立地(市街地や空港そば)では、とても関係が強かったのに対し、そうでないような立地(ロードサイドや田舎など)では、関係が弱かったということ。
つまり、満足度向上が収益に貢献するには、その前提として、競争下に置かれているか否かということがあるということだ。
最後に、収益までつなげたことで、個別項目を1ポイント改善させることが、最終的に「いくら」の収益価値を持つのかを示すことが推奨されている。確かに、これは解りやすい。
本章は、PCRという分析手法が出てきたこと。また、収益情報とのリンクが出てきたことなど、興味深い話が出てきたが、実際に試してみないことには、よーわからん。というのが本音。

Chapter6.From information to Decisions

最終章となる本章は、情報を意思決定につなげていく手法が取り上げられている。
まずは、前著でもあったように、影響度(Impact)を横軸に、現状値(Perfomance)を縦軸にとり、Starategic Satisfaction Matrixを構築。改善すべき点のプライオリティをつけるということが第一に挙げられている。
その際、競合先との関係を整理し、ベンチマークをとること。対策費用を考慮に入れること。科学技術の発展などを考慮してもその項目が普遍的な存在であるかをあわせて考慮すること。
こうした注力する項目を決めたら、次は、満足度の改善に向けて具体的にどのような行動をしていくのか。ということ。
ここで、筆者オリジナルのフレームワーク(The Gustafsson and Johnson Framework)を提示。

  • Customer Satisfaciton 顧客満足度
  • Customer benefit 顧客便益
  • Product and Service Attributes 製品やサービスの状態
  • Engineering Characteristics or Service Qualities 特徴やサービスの質の設計
  • Parts Characteristics or Service Functions 特徴やサービス機能の構成
  • Process Operations or Service Process Designs 事業プロセスやサービスプロセス
  • Production Requirements or Operating Policies 製品仕様用やサービス方針

といった項目がチェーンを作っているもの。この特徴は、下層は品質管理(QFD Quality funcion deployment)であり、上層は、CSモデルとなっていて、それがつながっているところ。
上から下の方向に見れば、満足度がより具体的にはどのような製品、サービスの状態によって左右されているのか、満たされている(accomplishment)いるか。
下から上の方向を見えれば、どのような取り組みが、満足度の増減につながっているのかが見えるようなっている。

まとめ

一冊目に比べると、ページ数は少ないのだが、話が突然、コラム的な話にそれていってかなりボリュームが割かれていたり、1つの見出しタイトルの中で、話題が変わったり、図表の表現力が乏しかったり。と読むのに苦労した一冊であった。
ただ、読破した感想で言えば、より実践的な経験の中で述べられている部分が多く、芯が通った流れであったように思う。
前著と、本著を含めて感じるのは、「何のためにやるのか」ということが、まず、はっきりとうたわれていて、その中で、何階層、何ステップになるのかわからないような重層的な取り組みを、この目的に向けて全体として統合している。という部分である。
我々の場合、どうしても、特徴的な部分に注目しがちであるが、それらは局所に過ぎず、全体をシステムとしてどのようにまわすのか。というところを意識すべきなのだと思う。
さて、宿題は、もう一冊あるのだが、これは450ページを超える「大作」。従来の読破速度で言えば、二週間近くかかってしまう。さて。これを読むことを進めるか、先に日本から持ち込んだデータの整理を行うか。思案中。

Share