本記事は、私が事務局をしている「観光地マーケティング研究会(http://cs-t.jp)」のMLに投稿したものです。(一部、アレンジしています)
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さて、このMLでも何度か取り上げました高速道路1,000円に関して、面白い調査結果が出ていました。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0907/29/news093.html
非常に簡単な調査結果ではありますが、約半数の人は「安さ」よりも「時間」を選ぶという結果が出ています。
私は個人的に、高速道路1,000円を実施するなら、休日ではなく平日だろうと思っています。もちろん、地域差、施設差はありますが、休日はそこそこの稼働率、集客数を確保している傾向にあるのに対し、平日は非常に閑散としてしまうのが実情であるからです。
むしろ、平日を安価にして、有給休暇をとるモチベーションを高めて上げた方が、旅行市場にとっては良いのではないかと思っています。
(ただでさえ、年休の取得率は低いのですから)
また、お金と時間という視点で言えば、ユニバーサルスタジオ(大阪のUSJを含む)は、「エクスプレスパス」というものを導入しています。
これは、一般の行列を回避できる特別パスであり、ディズニーの「ファストパス」と同様の機能と考えて良いでしょう。
ただ、このエクスプレスパスは、ファストパスと異なり「有料」です。混雑予測によって値段は異なりますが、概ね定価の1日券と同額程度の値付けとなっています。つまり、このパスを購入すると言うことは、2日券分の費用を1日に投入するということになるわけです。
ファストパスが無料であることを考えると「あくどい」と感じてしまいますが、特定の人にとっては、とても有効なものもあります。
例えば、皆さんが、ここオーランドに中5日間の予定で来訪したとしましょう。WDWが4つのパーク、ユニバーサルが2つ、シーワールドが2つなどと考えると、5日では、1日1パークでも全ては回れません。結果、WDWを3日、ユニバーサルは1日、シーワールドなどが1日などと配分したとします。このとき、人気アトラクションをほぼ待ち時間ゼロで乗ることの出来るエクスプレスパスは、とても魅力的ではありませんか?
一方、ディズニーのファストパスは、無料ではありますが、使いこなすのは実は大変です。かなり、下準備しておくことが必要でしょう。
つまり、価格というのは、価値との対比によって決まってくる(それだけではないですが)ので、絶対的に高いとか安いというものでは無いと言うことです。
日本では、航空会社が、こうした値付けをダイナミックに展開していますが。観光分野においても、これから検討すべき分野ではないかと思います。
ご参考まで。

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