Discussion of Destination Branding.

Orlando CVBのCEOからのニュースレター

本記事は、私が事務局をしている「観光地マーケティング研究会(http://cs-t.jp)」のMLに投稿したものです。(一部、アレンジしています)
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四半期ごとにCVBのCEOから届けられるニュースレターをお届けします。
http://www.informz.net/orlando-members/archives/archive_823176.html
冒頭にCEOから、CVBが現状をどう考え、どのような取り組みを行い、その結果がどのようになってきているのかを、簡単にまとめたコメントがあり、その後、バックデータがグラフ付きで掲載されるという形態になっています。
先日、おとどけしたニュースレターは最新の情報をフローとして届ける物でしたが、今回のニュースレターは、四半期を振り返る形で、CVBが何を具体的な活動として行ってきたのか、その結果、どうなったのかが、非常に詳細、かつ、わかりやすく整理されています。私も見て、びっくりです。
ここから、以下の3つが指摘できるのではないでしょうか。
1.関係者に対する情報公開の重要性
こうした情報公開は、上場企業の株主向け報告書のようなものだと考えれば、その役割が明確になるのではないでしょうか。すなわち、CVBが上場企業、納税者たる関係者が株主という関係です。
四半期ごとに、ここまで、詳細な取り組み内容が提供される事で、関係者は、この厳しい状況においてもCVBが自らの役割を果たすために、様々な取り組みをやっていることを知ることが出来ます。それらの取り組みに対する意識は関係者によって異なると思いますが、少なくても、CVBがどういった状況判断に基づき、何を行っているのか(行おうとしているのか)についての情報は共有出来ます。仮にその取り組みが間違っていると思う場合でも、これらの情報を元にした議論であれば、建設的な物となりましょう。つまり、思い込みや不正確な情報に基づいた議論を排除できると言うことです。
日本でもCVB(観光協会)に何を求めるのか、CVBの役割は何なのかについては、議論が分かれるところですが、このように、まずは、自らが行っていること、その理由、そして結果を、関係者にオープンにすることが重要なのではないでしょうか。
2.テクノロジを「使いこなす」
このニュースレターは、本来は、HTMLメールにて送付されます。メアドを登録している人は、プッシュ型(先方から届けられる)で情報を取得できます。ただ、私を含め、HTMLメールを嫌がる人も居ますし、毎日、多量なメールを扱う人は、ニュースレターが埋没してしまうことにもなります。が、同じ物を WEBサイトにも掲載することで、明示的(プル型)での情報参照にも対応しています。
それだけでなく、取り組み内容を見ていくと、観光客向けにWEBサイトはもちろんのこと、Facebook や Myspace
も積極的に活用していることがわかります。さらに、後段のデータ集では、これらのサイトがどの程度、参照を受けているのかが詳細に記述されています。(WEBサイトについては、あらかじめ目標値も設定されていて、その比較も行われている)
現在は、ネット上の口コミとも呼べるように、ネット上では、顧客同士の情報交換も盛んですが、これをうまく活用するために、10組のカップルをオーランドに無料招待し、その様子をFacebook
や Twitter などで発信してもらうといった取り組みも行っています。
もちろん、紙媒体の資料も様々なものを作成しています(後述)が、IT系の各種メディアを「使いこなす」という一点についてだけでも、参考になるのではないでしょうか。
3.メディアミックスのあり方
観光客数のデータから解るように、オーランドは、前年対比でかなり厳しい状況になっています。ただ、こうした中で、比較的堅調なブラジル市場の獲得に積極的に取り組んだり、前述のように、テクノロジを活用したり、メディアに出稿したり、旅行博に出たり、ダイレクトメールを送ったり、各種パブリシティを作成したりと、いやまぁ、多種多様な取り組みを行っています。これらを整理すれば、CVBが取り得る取り組み策の一覧表が作成できるのではないでしょうか。
ただ、ここで注目して欲しいのは、それらの取り組みは、思いつきでやっているのではなく、ターゲッティングに基づき、有効なメディアミックスが意識されていることです。観光(レジャー)とMICEに大きく区分し、前者については、国内、ブラジル、カナダといった重点対象を決めてこれらには、かなり重層的なメディアミックスをかける。ヨーロッパも準じた市場として、旅行博を中心に対応する。一方で、アジア系は、無視状態。一応、固定的なWEBサイトはあるので、それで十分と言うことでしょう。
単にメディアミックスをすれば良いというのではなく、その対象の位置づけに会わせてダイナミックにその組み合わせを変化させていることが面白いと思います。

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