今日は、山口大学の一行と一緒に、午前中、シーワールドのマーケティング担当にヒアリングに行った。
シーワールドは、ブッシュエンターテイメントという会社が経営するテーマパーク。このブッシュエンターテイメントは、あの「バドワイザー」の会社。なんで、ビール会社がテーマパークをやっているのか、以前から不思議だったのだが、今日のヒアリングで、その疑問は氷解した。
もともとは、ビール会社として、ビアガーデンを開設。そのビアガーデンが日本のモノとは少し違っていて、フラミンゴが戯れる姿を見ながらビールを楽しめるようなビアガーデンが元祖。そして、そのビアガーデンが、だんだん、ビールから離れて自立化していき、今のシーワールドなどになったということである。
日本であれば、サッポロビール園や、サッポロファクトリーが、テーマパークレベルに昇華していったと考えれば良いのだろう。
今日のヒアリングでは、彼らが推進しているマーケティングについて、非常に端的に、わかりやすく説明をしてもらえた。ディズニーでもない、ユニバーサルでもないユニークなポジションにいるだけに、苦労も多いという事が伝わってくるプレゼンであった。
正直なところ、3位グループであるにも関わらず、ブランドが細分化(シーワールド、アクアティカ、ディスカバリーコーブ、ブッシュガーデンなど)されていたり、価格競争力も低い(ユニバーサルが攻撃的なディスカウントを仕掛けている)ことに加え、パークとしてのコンピテンスが見えにくいと、私は感じている。
しかしながら、それについては、彼らも「ちゃんと」理解しており、その上で、自らのリソースの中で、対応策を考えているというところのようだ。
シーワールドは、目的的な施設とはなりにくい施設である。シーワールドが全米に4箇所に展開していることも、それを示している。
つまり、それほど、希少な施設ではなく、観光リゾートに付帯的に設置され、その観光リゾート地に来訪する人に立ち寄ってもらうというのが、基本的な位置づけと考えて良いだろう。(ただし、これに地元住民という別セグメントは別途加わる)
日本で言えば、一時期、全国展開した歴史村や、それぞれ資本は異なるが全国に立地している水族館、動物園などのようなものだと考えて良いだろう。
そのため、立地している観光リゾート地の集客が増えている間は、比較的容易に集客が出来るが、その観光リゾート地の集客にかげりが出てくると、目的的な施設に集客が偏ることになるので、2位、3位グループは厳しくなる。2位グループのユニバーサルは、価格戦略で攻勢をかけられるだけの自力をもっているが、シーワールドではそこまでの自力はない。
そんな「悩み」が、感じられるプレゼンでした。
結局は、自身の持つユニークなコンピテンスをいかに強め、それを、顧客にどう伝えるのか。そこに回帰しているように感じた。
特に、IT系のツールは、かなり積極的に使いこなしている。
この辺の考え方、使い方は、日本でも参考になるだろう。
やはり、現場の人の話を聞くのは、楽しいですね。いろいろな刺激になります。