今日のテーマパークの講義は、エレクトリカルパレードなどのショーの立ち上げを行った人がゲストスピーカーでした。
彼は、まず、「音」の重要性を。音がデジタル処理できるようになったことで、様々な動作に連動して音を提供することが出来るようになったこと。
適時性の高い「音」を提供することで、その場の体験、経験が飛躍的に高まること。
特に、視覚と聴覚とは、大きな相互作用をもっており、効果的に組み合わせることで、大きな効果を生み出すこと。
といったことが話として出ていました。
確かに、WDWでのショー。特に夜間の光、炎、花火などを使ったショーは、(感動に鈍感な)私でも鳥肌が立つくらいの演出効果が感じられます。(日本のTDL、TDSのそれは、スケールダウンしているのか、そこまでの印象はありませんが)
こうしたショーは、少しでも、何かのタイミングがずれてしまうと、その体験、経験は、大幅に下落してしまいます。それくらい、それらを組み合わせることで、相乗効果を引き出すことは難しく、神業にも思えます。
しかし、今日の話を聞くと、そうした神業が、実は、高度なマネジメントと、リーダーシップによって創出されていることが解りました。
具体的には、
それぞれのショーについて、その目的を明確にし、ゴールを設定するという、「計画立案」の基本がしっかりと取られていること。
ショーを盛り上げるための「センス」については、芸術的な才能をもとに組み立てるものの、それを実現するための手法については、テクノロジーをふんだんに使い、技術者を導入し、実験を行い、開発を行っていくこと。例えば、ショーで様々な「炎」が必要となれば、その炎を案得善に作り出せるように、様々な実験を通じて機器の開発を行っている事や、シミュレーションによって客席からの見え方を考えてオブジェクトの大きさを調整するなど。
さらに、それら個別技術、取り組みが、前述した「計画」の上で行われることで、関係者の意識共有が行われ大きな力となること。
などですね。
まぁ、こうした基本を実現することが自体が「神業」といえば、そうなんですが、一つ一つは、計画論や経営マネジメントの基本的な取り組みでしかない。それをきっちりとやり抜くことで、他者がキャッチアップできない価値を作り出せるという好例でしょう。
ひるがえって。
日本では、全国各地で花火大会が開催されますが、皆、十年一日のようなもので、単に打ち上げて終わり。花火の打ち上げを依頼した側も、依頼された側も、おそらくは、どういった目的で、どのように「顧客」を盛り上げるのか。ということはほとんど考えていないでしょうね。
結果、花火大会って、はじめから最後まで、ずっと見入る人は少ないのではないでしょうか。(打ち上げ数などが、花火大会の尺度になっているにも関わらずです)
どんなに美しい映像でも、5分も立てば飽きますからね。
新しい要素を巻き込み、チャレンジし、新しい価値、相乗効果を獲得していく。そういう取り組みが、魅力の向上には必要なのではないか。そういうことを、このところ強く感じます。