ハウステンボスの第3次オーナーに、HISがなることについては、先日も本ブログに投稿した。
そのブログを書きながら、ふと感じたのは、「HISは、上場している企業である。その株主達はどう思っているのだろう」ということである。
そこで、株価をみてみると、HISの株価は、2009年11月2日に終値で1,975円をつけてから下落傾向となっている。
以下の記事に寄れば、ハウステンボスへの支援が公になったのは、11月の中旬であるから、その前の株価落ち込みは他の要因によるものと考えることが出来る。なお、この記事時点の株価は、1,762円(11/16)である。
ーーー引用はじめーーー
http://kyushu.yomiuri.co.jp/keizai/detail/20091115-OYS1T00435.htm
ハウステンボス運営企業候補にHIS浮上
大型リゾート施設ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)の再建問題で、施設の新たな運営企業候補として浮上しているのは、旅行業大手エイチ・アイ・エス(HIS、東京)であることが14日わかった。HTB支援策を探るため福岡経済界が結成したプロジェクトチーム(PT)の参加企業がHISと接触している模様だ。
PTは13日、営業規模の見直しなどHTB再生に向けた複数のシナリオを報告書にまとめた。再建策を具体化する今後の協議で、HISを中核に据え、地元企業が側面から支える枠組みがまとまる可能性が出てきた。
HISは格安旅行で勢力を広げ、関係が深い航空会社スカイマーク(東京)は羽田〜福岡線が主力。九州産業交通ホールディングス(熊本市)もグループに収めており、HTB再建への参画が決まれば、集客面での相乗効果も期待される。
(2009年11月15日 読売新聞)
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こうした報道の後も、株価の落ち込み傾向は続いたが、24日に1,693円を付けた後、以下のような記事が出てくる中で、12月7日に1,872円まで上昇に転ずる。
http://searchina.stockdatabank.jp/flash/f.cgi?code=9603
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/20091010-320884/index.htm
# ハウステンボス再建、HISに税軽減を提示 (2009年11月19日)
# HTB再建支援 九経連・松尾会長、HISに期待感 (2009年11月24日)
# ハウステンボス再建 佐世保市、HISと本格協議へ (2009年12月1日)
# HISに奨励金10年、佐世保市が検討 (2009年12月3日)
その後、再び、下落し、12月15日に1,646円となるが、16日の正式発表を受け、17日は、1,776円と2日で100円以上上昇する。
# ハウステンボス支援、HIS前向き姿勢 (2009年12月13日)
# HIS首脳、ハウステンボス支援を佐世保市に表明 (2009年12月16日)
# HISと福岡財界、ハウステンボス再建で支援協議へ (2009年12月16日)
その後、また、下がったものの、1月6日に1,756円まで回復。
そして、1月8日には1,822円まであがる。
# ハウステンボス港湾部、長崎県が公有化検討 (2009年12月28日)
# HTB支払いの漁業振興資金、長崎県が肩代わり検討 (2010年1月5日)
# HTB支援に九電など4社出資へ、総額7億円規模 (2010年1月6日)
ただ、その後、また下がりはじめ、「7割方難しい」という記事が出た27日には1,720円まで下落する。
# HTB再建に協力、熱供給会社値下げ応じる (2010年1月14日)
# HTB再建支援、福岡経済界 最大10億円出資へ (2010年1月14日)
# HIS、ハウステンボス管財人と協議入りを表明 (2010年1月21日)
# ハウステンボス一部無料化へ、HIS「雇用維持」 (2010年1月26日)
# ハウステンボス支援、HIS「7割方難しい」 (2010年1月27日)
この時期、HISの撤退観測が出てくる中で、株価は、微増し、2月3日には1,799円まで上昇する。これは、12月に正式に支援協議を発表したときよりも高い。
# 「ハウステンボス支援厳しい」HIS 管財人に伝える (2010年1月28日)
# 佐世保市長「HIS要望粛々と進める」 (2010年1月28日)
# 「支援可能性10〜30%」HIS会長が佐世保市長に (2010年1月29日)
# ハウステンボス再建、国交相「支援機構の活用検討」 (2010年1月31日)
# ハウステンボス支援企業決定、来週に延長 (2010年2月2日)
その後、概ね1,750円前後で一週間ほど推移し、2月9日は1,748円となる。そして、再度、支援可能性の検討が出て来る中で減少し、正式決定した12日に1,704円まで下落。週明けの16日には1,644円まで下落。19日の終値は、1,642円。
# ハウステンボス支援、HIS きょうにも最終判断 (2010年2月9日)
# HISが判断持ち越し、HTB支援可能性を模索 (2010年2月10日)
# ハウステンボス再建、HISが支援合意書作り着手 (2010年2月11日)
# HIS ハウステンボス支援に合意、きょう発表 (2010年2月12日)
# ハウステンボス再建支援、HISが正式決定 (2010年2月12日)
これを見ていて気がつくのは、11月から1月中旬までは、「支援する」という情報が出ると株価が上がっていたのに対し、1月下旬からは、逆に撤退であがり、支援で下がるという傾向に転化していることだ。
もちろんHISは、旅行業の一翼を担う存在であり、ハウステンボスだけで株価が左右されているわけではないだろう。また、ニュース性を元に利ざや目的で売買する人たちによる株価変動も少なくないだろう。
ただ、こうしたニュースと株価の連動をみてみると、当初はHISの新規事業として注目され、買い材料となっていたものが、1月下旬の「多大な再投資の必要性」が明らかになったところで、潮目が変わったような印象を受ける。