ネット版、朝日新聞に以下の記事が出ていた。
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http://www.asahi.com/national/update/0309/OSK201003090074.html
地上デジタル放送への完全移行まで、500日を切った。ホテルや旅館は、客室への地デジ対応テレビの導入に四苦八苦している。一方で、全国150万室を超える客室の「地デジ化」は大きなビジネスチャンス。旅行関連会社まで売り込みに乗り出す。
 「これまでテレビは無料で借りてきた。でも、地デジ化後は、そうもいかないみたいで……」。神戸市のビジネスホテルは頭を抱えた。
 ビジネスホテルのテレビの大半は、有料放送のシステムを手がける業者がリース会社から借り、無料で置いているものだ。しかし、地デジ対応の薄型テレビのリース代は、ブラウン管の2〜3倍。しかも不況で有料放送の利用も減っており、売り上げでリース代をまかなうビジネスモデルが立ちゆかなくなってきた。
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地デジへの移行は、以前から「解っていた」事業環境の変化である。
にも関わらず、あと1年余りで切り替えという今の時期に来て、対応計画が無い。というのは、「とりあえず、問題を先送りしておく」という行動の好例ではないだろうか。
確かに、導入を遅らせれば、それだけ機材が安価になるというメリットは得られるだろう。
しかしながら、それだけ、短期間で大量の機材を更新しなければならないことにもなる。これが、家庭と事業者の違いである。
その年に、突然、事業が改善し、キャッシュが確保できるなんて事は、そうそう起こることではないから、どう対応するのかについては、数年前の時点から検討しておくべき事項ではないのだろうか?
もう一つ。テレビの位置づけについての認識も気になる。
あまり、意識されていないが、地デジ対応のモニターは、PCのモニター並みの解像度を持っており、その入力端子も持っている。
そのため、別途、ネット接続用のラインを設けてやれば、ネット接続端末のモニターとして利用することは、さほど難しいことではない。
例えば、Wiiと組み合わせてあげれば、ネットも見られるし、YOUTUBEも見れるし、天気予報、各種ニュースを見られるし、ソフトがあれば、ゲームも出来る。PS3との組み合わせでも同様である。
訪日客が増えているが、ネットに接続さえ出来れば、情報に関するかなりの不満は解消することが可能である。
また、BMLというHTMLを拡張したフォーマットから、独自のデータ・プログラムを配信することが出来る。現在、こうしたプログラム配信を安価に行うシステムが、各社から発表されているが、これらのシステムと地デジ対応TVを組み合わせると、地域の観光案内、飲食店案内などを、WEBページのように作り上げることも出来る。
つまり、単にテレビ番組を見る「箱」ではなく、顧客への情報提供ツール、情報交換ツールになり得る存在なのである。
どうせ、入れ替えを行うなら、単にアナログ−>デジタルにするということではなく、その「高価なモニター」を利用して、何が出来るのかを考えて見るのも良いのでは無いだろうか。
なお。どうせ、多くの顧客は一泊なのだから。
TVは入れない。という選択肢があってもよいかもしれない。

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