ピョンチャン・オリンピックが始まりました。
スノースポーツの映像は、通常、ほとんどメディアに流れませんが、オリンピック時には露出が増えるため、スノー業界からは「スノースポーツの振興効果」に対する期待が高まる事にもなる。
他方、「長野オリンピックの時には、混雑が敬遠され、その後、スキー人口が減った」とか「競技のレベルが高すぎて、むしろスノースポーツ離れに繋がっている」と、むしろオリンピックをネガティブに指摘する人も、少なくありません。
個人的には、スキーを含む余暇市場は「経済要因」で動くと考えており、正負両面で、オリンピックが大きく影響しているとは思っていませんが、もやもやする部分でもあるので、さくっと整理してみることに。
オリンピック開催年と翌年のスキー人口(スキー+ボード)の推移は以下の通り。
- 1998年(長野)は1800万人−>1660万人。
- 2002年(ソルトレーク)は、1630万人−>1190万人。
- 2006年(トリノ)は、1030万人−>960万人。
- 2010年(バンクーバー)は、970万人−>970万人。
- 2014年(ソチ)は、760万人−>740万人。
これを見ると、少なくてもオリンピック開催によって人口が増えている事は無く、2010年を除けば減少している。
だが、グラフが示すように、90年代後半以降、一貫して人口数は減少しており、2002年を除けば、特にオリンピックの翌年に大きく減っているとは言えない。
なお、2002年から2003年は、大きく数値が減っているが、この時期、レジャー白書の所管が変わっており、その辺が影響していることは否めない。
個々のケースとしては、オリンピックの映像を見て、やってみようと思う人も居るだろうし、逆に、自分とは違いすぎると冷めてしまう人も居るだろうが、過去20年の経緯を見る限り、それが全体として国内市場の増減に影響するほどではないという所だろう。
一方で、一般的な国内観光市場が底打ち/反転してきている状況の中で、スキーは逆に、底割れの状況になっているのも事実。これは、経済要因だけでなく、市場からの指示が得られていない事でもある。
さて。