ここオーランドのレストランで、最も多いのはファストフードやステーキといった米国料理のレストランであるが、日本食は一定以上の人気料理となっている。
大学から車で10分、20分圏内でさえ、かなりの件数が、立地している。
そうした日本料理店は、大きく3つのタイプに分けられる。
1つは、日本人のオーナー、シェフによる純粋な日本食店。これは、日本人経営ということもあり、アメリカ人向けに、食事の量を多くするなどのアレンジはあるものの、日本にある普通の飲食店とあまり変わらないと思って良い。定食屋レベルから、料亭とはいかないまでも「接待」に使えるようなレベル(行ったことは無いですが)も存在する。
2つ目は、韓国人やその他のアジア人がオーナーで、「1」のタイプに近いもの。多少、アレンジがあっても、日本食を基本に、日本料理屋というスタイルになっている。SUSHIといった表記を前面に出しているところが多い。数量的には、「1」を上回り、ちょっとしたショッピングモール、ストリップモールにはたいてい一軒はあるという位、ポピュラーな存在である。実は、私は、この手の店には行っていないので、実経験で報告できないが、伝え聞くところによれば、かなり内容にはばらつきがあるようだ。つまり、外見だけでなく中身も「1」に近いものから、別物になっているものまであるということになる。
3つ目は、このところ増えてきたとされるタイプで、日本食を基軸にしつつも、中国を除くアジア諸国、韓国やタイといった料理もラインナップし、アジアン料理としてまとめているもの。「2」が、実質的には日本食とは別物になっていても、日本食屋であることをアピールにしているのに対し、このタイプは、日本食を看板の一つにはしつつも、日本食屋というイメージとはなっていないことが大きな相違点である。そのため、店舗のデザインも「和」ではなく、洋のスタイリッシュさに、アジアの重厚さを併せ持ったような新しいものとなっている。日本で言えば、ホテルの鉄板焼き屋などのイメージが近いと言えるだろうか。
3の動きを、日本食の崩壊とみるか、新しい展開と見るか。見方は分かれると思う。ただ、日本食というのが、強力なコンテンツであること。そして、「日本」とはついているものの日本だけでなくグローバルな存在となっていることは、間違いない。
観光振興の視点からいえば、この日本食をどう、インバウンドにつなげられるか。ということになるが。さて。