戦略論がおもしろい
2週目の3コマ目「STRATEGIC MANAGEMENT & HUMAN RESOURCES」、かなりおもしろい。
まず、戦略とは何か。(What Is Strategy?)
意外に、日本の書籍をみても、この辺の定義というか考え方ははっきりしない。
それを以下のように定義している。
Strategy is the creation of a unique and valuable position involving a different set of activities working as an integrated system… and making tradeoffs in competing and creating fit among activities.
この文章構造では、翻訳ソフトは、ほとんど役に立たないので、私なりに整理をすれば、まず、
「戦略とは、ユニークで価値のある位置づけを創ること」
である。更に、その位置づけを創る際に2つの事項が求められる。すなわち
「異なった活動を、統合された一つのシステムとして含むこと」
「それらの活動を、競争させたり創造させたりする中でトレードオフ(取捨選択)をして、適合させること」
である。
まとめると、多様な(一方で捨てることをしながら)主体を最適に組み合わせ、独創的で価値のある体制を構築することが「戦略」となる。
なるほど。というのが実感。「戦略とはなんぞや」の本質を見事に整理したものだろう。
ちなみに、日本では「戦略とは」というと「企業の方向性や進路を示す方針や指針」というように、戦略の意味や目的を示す事が多い。そのため、「戦術をまとめたものが戦略である」というように、どう考えても違うだろう。と思う記述にでくわすことが多く、歯がゆい思いをしていたが、これですっきりした。
前述の定義をふまえ、より単純化すると、
「マクロ的な視点から、企業(地域)の資源の最適化を図る」
ということになる。
このマクロ的という言葉も、日本では、単に範囲を広げたものとしてとらえられることが多い。ただ、マクロとミクロは、立つ地点が違う。ミクロレベルでプラスのものが、マクロレベルではマイナスとなってしまう事も少なくない。
例えば、中心市街地の問題を考えよう。中心市街地が衰退するのは、周囲の住民が自らの判断でより快適な郊外店を利用するからである。品揃えもサービスも利便性も悪い個人商店を避けることは、個人レベル(ミクロレベル)において有益である。しかし、マクロレベルに立てば、郊外店の立地は都市の郊外化、スプロール化を招き、社会インフラ整備に過度な負担を与える。結果として、個人レベルが享受したプラスの和よりも、マクロレベルでのマイナスが多くなってしまえば、「税金」という形でトータルでマイナスとなる。
実は、観光にも同じ事が起きている。
現在、各地で観光的な視点を取り入れた地域づくり、まちづくりが行われている。実際、観光の集客をのばしている地域も存在する。年間で4,500万人の観光客数に達した京都などは好例だろう。しかしながら、観光白書を見ればわかるように、宿泊の国内観光旅行は減少を続けている。すなわち、マクロ的に見れば、観光は現在、衰退期にあるのである。マーケティング理論で言えば、衰退期の市場において企業が取るべき選択は「即時撤退」か「市場占有」の二者択一である。新規参入するタイミングではない。
観光的な視点、すなわち「来訪者の視点」を取り入れた都市計画、地域計画は非常に有益であり、有意義である。ただし、これはどんな場合でも取り�組むことがプラスであるということではないということだ。`話を「戦略」に戻そう。`さらに、講義の中で興味深かったのは、「より有効な戦略家になるための2つの能力(Two Inportant Characteristics That Make A Superior Strategist)」として、`現在の意見や、変化する態度、偏見によって影響を及ぼされないで出来事の意味を理解する能力。(The ability to understand the significance of events without being influenced by current opinion, changing attitudes, or prejudice.)`知覚された危険によって思いとどまらず、迅速に決定をし、その行動を行う能力。(The ability to make decisions quickly and to take the indicated action without being deterred by perceived danger.)`が挙げられていたことである。`すなわち、情報の分析力と意志決定力の双方を備える事と言っている。それが出来れば苦労しない。と思うが。`明日からは、ケーススタディとしてこれらの訓練をする(らしい)。`さて、どうなりますか。