オーランドに来て、5ヶ月余り。実は、未だ、フロリダ半島の西海岸に行ったことがなかった。
東海岸は、先週のケネディ・スペース・センターも含め、何度も、行っているのだが、西海岸にも一度も行っていなかった。
オーランドは、セントラルフロリダとも言われるように、フロリダ半島の真ん中あたりにある。ただ、完全な真ん中ではなく北東に寄っている。
さらに、東方向には、ほぼ、真東にハイウェイが延びているのに対し、西方向は、南西に延びている。
そのため、東海岸には片道60マイル、1時間くらいあればアクセスできるのに対し、西海岸は、片道100マイル以上、2時間弱を覚悟する必要がある。
この距離感に加え、西海岸の根本には「タンパ」という大きめの都市があり、ビーチは、その西側に広がっている。そのため、ハイウェイも少々、入り組んだ形になっていて、1人で地図を片手に行くのは、面倒だなぁという想いもあった。
この距離感と、面倒くささが、今まで、西海岸に行くことをためらわせていたのだが、オーランド滞在も、残り2ヶ月を切ってしまった事もあり、なんとかしようと。さらに、天気予報をみていると、今週末は過去レコード・タイの最高気温が予想され、かつ、降水確率も10%。これは、「行かねばなるまい」と重い腰を上げる。
11.8:350:233:0:0:ブラックベリーによる簡易カーナビ:right:1:1:ブラックベリーによる簡易カーナビ:0:
今回、距離と複雑なルートに対応するために、久しぶりに、ブラックベリーによる簡易カーナビをフル活用した。先日、ウォルマートに出向き、わざわざ、ブラックベリーをセットできるアームまで用意して、準備万端。
日本の普通のカーナビのような豊富な情報量を持つわけではないが、GPSにしか頼っていない(当然ながら、速度パルスや加速度センサーなどは持っていない)にも関わらず、なかなか正確な測位をおこない、かつ、指示の出るタイミングも的確。いやぁ、なかなかに使えます。
もっと早く、アームを購入しておけば良かった。
まずは、Fort DeSoto Parkに向かう。これは、タンパの南西にある自然公園で、島というか、岬というか、地域全体の開発が禁止されている。その昔は、要塞が設置されていて、現在でもその遺構をみることが出来る。
9.1:350:233:0:0:Fort DeSoto Park:right:1:1:Fort DeSoto Park の一コマ:0:
120マイルほどを、2時間ほどかけて走破し、現地入り。現地についてまず感じたのは、ビーチが「白い」こと。東海岸のビーチは、乾いているところは白いが、「砂」であるために、ぬれたところは黒っぽくなる。これに対して、西海岸のビーチは、全体的に白いのだ。
この理由は、どうも、貝殻のようだ。ビーチには大量の貝殻が打ち上げられており、海の中、海底も多くの貝殻が沈殿していたからだ。土や石が砕かれた砂ではなく、貝殻が砂になっていることは、ビーチを白くするだけでなく、海の透明度も高めているようだ。普通の砂地の場合、どうしても、波が砂を巻き込み透明度を落としてしまうが、もとが貝殻であるため、波に巻き込まれても比重の関係で、あまり、海中に舞うようなことはないからだ。ただ、岩場の透明度とは比べるまでも無いが。
このFort DeSoto Parkは、近くにホテルなども無いため、人も少なく、ビーチは綺麗だし、スケールも大きいし、海も綺麗だし。いやぁ、とてものんびりとさせてもらいました。ビーチ遊びだけでなく、釣り、シーカヤック、パラセーリング、ボート、バイク(自転車)など様々なレジャーを行う事も可能。いやぁ、うらやましいです。
こういうのが、リゾート活動なのでしょうねぇ。
8.6:233:350:0:0:Clearwater Beach:right:1:1:Clearwater Beach の一コマ:0:
3時間ほど、のんびりした後、西海岸線沿いに北上し、Clearwater Beachに向かう。概ね30マイルほどを、1時間弱ほどかけて走破。
驚くのは、その30マイルのほとんどが「開発」され、ホテルやコンドミニアムが立ち並んでいること。30マイル、つまり、50km弱ですよ。もちろん、戸建てに専用マリーナが付くような高級なものから、トレーラーハウスのような庶民的なものまで、濃淡はありますが、50kmにわたって、海岸線に投資が入っているというのは、驚きです。もう、参りました。という感じ。
まぁ、山などが無い、フラットな地形であり、開発が容易というのはあるでしょうが、特に、近くに市場となる大都市を持つわけでもないのに、これだけの投資がされている。これは、日本の状況を考えたら、ものすごいことです。
さらに、そうした開発は、前述したような濃淡はあるにせよ、無秩序ではない。道路は綺麗に整備され走りやすいし、建物も高さや形状、色彩がコントロールされ、開発年代が異なる建物が混在しているにも関わらず「ガチャガチャ」感がない。これにもびっくり。
Clearwater Beachは、タンパのほぼ、真西にあるビーチ。その名の通り、透明度の高さが売り。確かに、潮の具合なのか、Fort DeSoto Parkよりも透明度が高い印象を持ちました。
20.7:233:350:0:0:トロリーバス:right:1:1:トロリーバスが周回する:0:
こちらは、ビーチの周辺に多量のホテル、コンドミニアムが立ち並んでいる関係で、Fort DeSoto Parkと異なり、多くの人で賑わう。駐車場も30分$1と、有料。
人で賑わうために、飲食店やギフトショップなども集積していて、しっかり「リゾート地」となっている。
さらに、ビーチの周辺は、どうも、再開発が入っているようで、歩道などが非常にモダンなデザインで、綺麗に整備されている。こうしたデザインコードもうまいなぁと素直に感じる。正直、マイアミのように有名な所であるわけではない「Clearwater Barch」でここまで、きっちり整備、投資がされていたのは、予想外であり、驚きでした。

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ここで、興味深かったのは、ビーチサイドの道路付け替えを含めた再開発を実施していたこと。私は、予備知識を持たずに行ったのだが、ちょうど、その再開発の仕上げに入りつつある段階でした。
15.8:350:233:0:0:綺麗に整備された歩道:right:1:1:再開発によって綺麗に整備された歩道(右後方のピンク色の建物は、ハイアットリージェンシー):0:
上図のグーグルマップ航空写真が、再開発に入り始めた頃の写真を提供している(今日現在)ので、これを見てもらうと解るのだが、従来、ビーチサイドの道がまっすぐに南北方向を貫いていたものが、西側にカーブを描くような形で新設されるような再開発が行われている。(ちなみに、私が車を止めたのは、南側の駐車場)
これにあわせて、ビーチ沿いには、シャワースポットが設けられ、道路と同じようなカーブを描いた歩道とつながれている。さらに、右の写真に示すように、歩道とビーチとの間は、ちょっとした丘になっていて、空間的な区分がされています。おそらくは、砂を飛ばさないための、一種の防風林のような機能を担っているのではないかと思いますが、ビーチ側からは、歩道や車道が隠れ、車などの喧噪から隔離されるという効果もあります。さらに、アプローチの際も、この丘の切れ目からビーチに入るために、場面転換効果も大きい。計画者がどこまで、考えてこうしたデザインにしたのかは解りませんが、見事だなぁと思いました。
全体として、デイトナビーチとか、ココビーチ、または、メルボルンといったオーランドの東側の東海岸よりも、西海岸の方が元気さが段違いのようです。(デイトナビーチは、かなり、寂れていて、治安も悪化中)
上のグーグルマップをぐりぐりしてもらうと解るように、その開発の広がりはすごいです。
もう少し、早く、来ておくべきでしたねぇ。
例によって、その他の写真は以下を参照ください。
http://picasaweb.google.com/i.youichi/FortDeSoteParkCleawaterBeach091031#
また、地図もあげておきます。

より大きな地図で Fort DeSoto Park & Clearwater Beach を表示

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