Discussion of Destination Branding.

オーランド160日目 〜米国のTV番組から思うギャップの存在とその活用

先日、以下のニュースをニュースサイトにて見た。
「海外で邦画」上映権8千万円ムダ 性描写多い作品など
http://www.asahi.com/national/update/1031/TKY200910310187.html
映画や漫画などのコンテンツは、日本が世界的な競争力を有する分野の一つとして、近年、注目されるようになっている。
確かに、米国の本屋に行けば、集英社系、特に少年ジャンプ系の単行本は多く見かけることが出来る。
また、この8月には、PONYOが公開されている。
しかしながら。日本のアニメは、数年前に比べたら、激減しているのが実情だ。数年前には、カートゥーンネットワークなどでは、それこそ、日本のアニメのオンパレードであったが、現在では、ポケモンくらいしか見たことがない。
ネットをざっと検索すると、どうも、その理由は、「性描写」や「暴力シーン」が多いことが理由らしい。(版権処理が下手という話もある)
ーーーー11/3加筆ーーーー
以下の記事によると、やはり、縮小傾向にあるようだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091014/207066/?P=1
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米国は、実際問題として、犯罪が少なくない。私が住むフロリダでも、ローカルのニュース番組をみていれば、性犯罪、暴力犯罪は毎日のように流れている。日本でも、この手の犯罪は増えている(ニュースに載るようになった?)印象があるが、人口数から考えたら、やはり、相対的に、米国の方がこの手の問題は多いと考えるべきだろう。
そのため、この手の情報をTVにて流すと言うことには、とても神経質だ。
現在の米国の放映コードがどうなっているのか解らないが、番組表では、暴力シーンなどがある場合には、その旨が掲示されているし、ラブシーンなどについても同様の掲示がなされている。視聴年齢の表示も当然ある。
なお、映画では、暴力シーンが多いものは少なくないが、「大人向け」と表示することで、対応できるのに対し、アニメの場合には、視聴者が子供であるために回避不能ということなのだろう。
さらに、性描写については、ヌードはあり得ない状態。以前の映画には、ヌードシーンが入っているものは少なくないが、日本なら、そのまま放映されるようなものが、こちらでは、ぼかしが入るか、話に支障が無ければカットされることになる。
先日などは、乳がん対策の番組(まっとうなニュース番組の中)において、乳がんの自己検診方法が放映されたものの、バスト広範にぼかしが入っているために、全く解らない。これは、視聴者からも、その乳がん検診を訴えた団体からもクレームが入ったらしく、後日、こうした情報をどのように伝えるべきなのかという議論がなされていたぐらいである。(個人的には、ビキニでやればよかったのでは無いかと思いますが)
こうした対策は、書籍にも及ぶ。日本ではコンビニでも、性描写を含む雑誌が普通に販売されているが、こちらでは、大型の本屋に行ってもその手のものは販売されていない。(見たことが無い)
おそらくは、その手の専門店に行かなければ販売していないのではないだろうか。
なお、レンタルビデオ店では、日本のレンタルビデオ店のように、その手の「特設コーナー」が区切られる形で設置されている。TVや本屋に比べると規制が緩い感じがするが、会員証によって年齢確認が容易なためかもしれない。
ネット上は、日本以上に、非常にゆるゆるである中で、TVや実店舗で規制することにどれだけの意味があるのかは解らないが、「求めない人が、その手の情報に接することは無いようにする」というのが基本的な考え方なのだろう。
さて、このようなことを、書いてきた理由は、こうした事を理解していないと、インバウンド振興においてトラブルが生じかねないと思うからだ。
例えば、日本では、追加料金が必要とは言え、アダルトビデオが視聴可能となっているホテル、旅館はとても多い。さらに、そうしたホテル、旅館では「番組」の情報を、写真入りで紹介するパンフレットも堂々と、部屋に設置されていることが一般的である。
すなわち、「宿泊者が求めていなくても」「目にしてしまう」状態にあるわけだ。
また、あまり数は多くないが、温泉旅館などでは、入浴シーンのイメージとして、女性入浴客のバストやヒップを露出させた状態にあるものをパンフレットやポスターなどに利用している場合もある。これなども、米国の基準から考えたらOUTだろう。
インバウンド客を受け入れる中で、こうしたことが、思わぬ火種になりかねないことは意識しておいた方が良いだろう。
一方で、こうしたギャップは、ビジネスチャンスとして考えることも出来る。前述したように、米国であっても、レンタルビデオ店には、「特設コーナー」が設置されている。つまり、そうした需要が厳然としてあるということだ。
「求めない人」の目には触れないようにしておきながら、「関心のある人」には、積極的に露出させ、それによって誘客や単価増大を図っていくことは真剣に考えても良いだろう。
ただし、あまり、露骨にやり過ぎてしまうと、客筋が悪化したり、女性客・家族客の敬遠を招いたりもするので、施設のポジショニングや、ターゲッティングを十分に検討した上で行動に移す必要があることは言うまでもない。
なお、あまり、声高に話すことではないが、「性風俗」は、現在でも、観光において大きな需要の一つであり、それは、インバウンドでも同様だ。
確認したいのであれば、例えば、Googleの検索キーワードのボリュームを国別に参照できるサービスなどを使って、地名と性風俗の名称などでの組み合わせにて、その検索ボリュームを参照してみると良いだろう。特に、アジア諸国からは「高い関心」が寄せられている事が解る。
(あまりに、露骨なので、ここでは詳細は示しません)
こうした「現実」を、どのように考えるのかは、それぞれの判断であるが、着地側の一方的な思い込み、常識で物事を考えるのではなく、相手の意識や価値観を、相手の立場、視点から捉えることは重要だろう。そうやって、ギャップを確認することが出来れば、問題がないように埋めるのか、または、ビジネスチャンスとして活かすのかを考えて行くことも出来るからだ。
まずは、何事も、異文化であるということを、明確に意識することが必要だろう。

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