WDWポップセンチュリー

今回の視察の最後に見せていただいたのが、ポップセンチュリーである。
http://disneyworld.disney.go.com/resorts/pop-century-resort/
このポップセンチュリーは、オールスターと並ぶ「バリュークラス」 すなわち、最も安価なクラスのホテルである。
オールスターは、ムービー(1,900室)、ミュージック(1,600室)、スポーツ(1,900室)という3つのホテルの集合体で、あわせて5,400室以上という膨大な規模を誇るが、このポップセンチュリーも、単体で2,800室余りの室数を有する巨大ホテルだ。
このホテルのテーマは「年代」。
日本語では、ポップセンチュリーという言葉自体が、解るような解らないような言葉であるが、60年代、70年代といった年代ごとに切り、その時代にはやったもの、ファッション、映画、レジャーといったものを、ゾーンごとに設定している。
米国では、こうした「年代」は、例えば、受講したマーケティングの講義では大統領の任期とあわせて整理されるなど、もともと注目度が高い印象がある。
日本でも、昭和初期をテーマにした商業施設が一時期、注目されたが、オイルショック以降の70年代やバブル前夜の80年代などがテーマにされることは、まず、聞いたことが無い。さらに、ポップセンチュリーでの年代整理は、当然ながら、米国のものであるため、日本人から見ると解りにくい部分はあるだろう。
実際、現地の人の話では、日本人にはオールスターの方が好評だという話だ。
バリュークラスであるため、建物形状および室内の造りは、以前紹介した、コンフォートインクォリティインと極めて似通っている。
よって、建物形状などから来るメリット、デメリットもほぼ同じと言って良いだろう。
ただ、そこはディズニー。一般的なバリュークラスのホテルとの差別化に取り組んでいる。
とはいえ、バリュークラスであるため、その差別化には「コスト」はかけられない。
結果、建物構造などには触れずに、装飾部分での差別化が中心となる。

写真を見ると解るように、建物はシンプルに作っておいて、そこにディズニー的な要素を加えることで「他とは違う」ということをアピールしている。
この辺の作り方は、設定されるテーマは異なるものの、オールスターでも同様である。
高さ10m規模の巨大なオブジェは、そうそう、見られるモノでは無い。自分が、こびとになったような印象すら抱く。

室内も、バリュークラスのホテルの基本構造、レイアウトをとりつつ、ベッドカバーやライトなどの装飾系、設備系での差別化が図られている。
また、通常のバリュークラスのホテルでは、「一応、付いています」程度となっているプールも、ここでは、しっかりと作り込まれている。

ただ、まぁ、テーマホテルとしてみると「苦しいなぁ」というのは、素直な感想。
例えば、主要動線の裏側にあたる通路部分。一応、装飾はされていて、綺麗ではあるが、テーマホテルというわくわく感には乏しい。

ではあるが、オールスターと並び、ポップセンチュリーは、収益面でも、人気面でも高いホテルである。
現在、ディズニーでは、このポップセンチュリーに隣接して、新しいバリュークラス・ホテルの建設に取り組んでいて、リトルマーメイドなどのテーマ設定されたホテルが新規開業予定でもある。
その理由は、第一に、安い、経済的ということがあるだろう。デラックスクラスと比すれば、1/3程度の価格で泊まることが出来る事は、連泊が当たり前のオーランド滞在では、大変、ありがたい。
さらに、米国の場合、安価なホテルは、それに伴って、全体としての清潔感や、客層なども「それなり」になる傾向があるが、ここディズニーの場合には、そうした心配が少ない。小さい子供連れ家族などでも安心して宿泊できる。
もう一つは、WDWには、様々なアクティビティがあるため、ホテルは寝るだけで良い、という事情もある。特に、はじめてWDWに来た場合、現地滞在、4日、5日程度では、夜の10時、11時まで外出したとしても、テーマパークなどを巡るだけで精一杯。とても、ホテルでのんびり過ごすなどと言う時間は取れないし、そもそも、それを目的にした滞在でもないだろう。
ならば、WDW外の、より安価なホテルに宿泊するという選択肢もあるだろう。同クラスのホテルなら、さらに半額だ。
飲食費やインターネット利用料など付帯費用も安いため、総額では更に差が付くだろう。
私は、そうした選択を否定しないが、直営ホテルには直営ホテルのメリットも多い。
その一つが、シャトルバスだ。
テーマパークは、朝から晩まで居ても周り尽くせないくらいの規模があるが、小さい子供連れ家族の場合、それでは「子供」が持たない。
暑くなる日中、一度、ホテルに帰って休息した方が、結果として、効率的に回れることにもなる。
そうした場合、直営ホテルであれば、比較的容易にホテルに戻れるし、また、再出陣もできる。例えば、お母さんと娘さんだけが一度、ホテルに戻り、お父さんと息子はパークで遊び続けるといった事も可能である。
さらに、ホテルに泊まっていると、エキストラ・マジックアワーというパークの延長営業時間を利用することも出来る。これによって、「さらに」テーマパーク滞在を延ばすことも出来るわけだ。
この辺は、各人の判断だろう。

Share