ブランディングとストーリー

2014年11月から2016年7月まで、国家公務員やっていました。
大学3年のインターンシップで埼玉県庁に行き「就職先として公務員は無いなぁ」と感じた人間が、まさか、国家公務員をやるとは思いませんでした。

2年弱の公務員生活において、まず、取り組んだ事業が「地域ストーリー作り研究会」でした。この事業は、私の赴任前に基礎設計が終わっており、公務員生活2日目にはモデル地域への出張が決まっていたというバタバタものでした。

この事業は、地域の観光魅力を発揮するには「ストーリー」が必要だという課題感から、どのようにストーリーを作れるのかという事を検討していくものでした。一部業務は外部委託していましたが、基本、本省職員にて研究会を運営するというもので、いつも「受託」を受けている身からすると不思議な感じでした。

この研究会のとりまとめに当たり、私が留意したのは顧客満足(ロイヤルティ)、消費額、そしてブランディングを連動させて整理する事でした。

私はもともとロイヤルティについて研究を行っていましたが、ロイヤルティと消費額との関係は必ずしも明確ではありませんでした。これは、ロイヤルティには積極的なものとそうでないもの(他に選択肢が無いから使っている)があったり、リピーター化によって行動がピンポイントになるためだったりします。

そこで、ロイヤルティと消費額を正の方向に連動させる概念としてブランドが使えるのではないかと思ったのです。

研究会にはブランド研究の第一人者である阿久津教授も居りましたので、彼の意見や指摘を取り込みつつ、この3者の関係を観光地の振興策に適用してみようと考えました。

そこで出てきた考えが、地域の歴史文化など源流をなすストーリー(オリジナル・ストーリー)と、実際の滞在プログラムとしてのストーリー(経験可能ストーリー)、そしてストーリー追体験という3重構造です。
これは、ブランド構造でいえば、それぞれブランド・コンセプト、ブランド経験、ブランド・イメージに対応します。そして、ここでいうブランド経験は消費行動に、追体験、ブランド・イメージはロイヤルティと連動することになります。

この構造は、以下の「参考資料」のスライド10に凝縮されています。
http://www.meti.go.jp/press/2014/02/20150210001/20150210001.html

この整理によって、マーケティングからブランディングに発想を拡大できたことで、マーケティング手法の転換も志向できるようになりました。

これについては、また、次号。

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