今回のスイス視察において、再訪したい場所の一つに、モルテラッチ氷河があった。
ここは3年前の2016年9月に訪れ、いろいろとショックを受けたところであったからだ。
ここには最寄り駅から氷河方向にトレイルがあり、そのトレイル上に「◯◯年にはここまで氷河があった」ということを示すサイン(1878年以降)が立っている。そのサインをたどりながら氷河に向かうことで、地球温暖化(=氷河の後退)が加速度的に生じているということを、体感できる場所でもある。
最終端において、撮影した2枚を比較してみよう。
画角の違いもあり、ぱっと見、違いは判然としないが、中央部の岩に注目すると、2016年9月の時点では、その右側に相当量の氷の塊があるのに対し、2019年9月では、かなり痩せた状態にあることがわかる。その後退量は、2016年9月の写真に写り込んでいる人影の大きさを見れば、かなりの量であることがわかるだろう。
氷なんだから、交代するのは当たり前…とも考えられるが、この氷河が形成されたのははるか昔であり、1920年台頃までは年間10m程度の後退であったものが、それ以降は20m程度に拡大し、近年は更に拡大している状況にある。
この3年の間でも、大きく後退している現状をみると、地球がべらぼうに「熱く」なってきていることを感じることが出来る。
なお、モルテラッチ氷河には、最寄りのベルニナ線のモルテラッチ駅から歩いてアクセスが可能である。歩くと小一時間の距離だが、なだらかな上り坂が続くため、結構しんどい。3年前は普通のMTBでアクセスしたが、その横をeバイクに乗った高齢者にパスされてしんどい思いをしたものである。
今回は、eMTBを利用して楽ちんアクセス。10分強で到達できた。
eMTB恐るべし。
※8倍速動画でどうぞ。途中、一旦停止しているところが、1878年時点の氷河の先端で、そこから延々とかつての氷河の底をたどって、現在の先端まで向かいます。