4月5日、大阪府は、急激な感染拡大によって、まん防(まん延防止等重点措置)を発動した。

実際、緊急事態宣言解除後の大阪府での感染拡大の勢いは凄まじく、この状況が緊急事態宣言を2W後に解除した首都圏にも及ぶのではないか?という指摘も多い。

そこで、大阪府と東京都のコレまでの感染拡大傾向について比較してみよう。

陽性確認者数の実数は人口や検査体制によっても影響を受けるため、ここでは、陽性確認者数の2W前の比を使って比較する(より正確に言えば、2W前の一週間移動平均と対象日の一週間移動平均の差)。

東京都と大阪府の違い

これを見るとわかるように、9月以降、大阪府と東京都は似たような動きとなっているが、3点ほど、大きな違いがある。

まず1つ目は、大阪府では10月中旬くらいから感染が大きく拡大したが、東京都は無風であったこと。次に、12月は逆に東京は感染が拡大していたが、大阪府は抑え込んていたこと。そして、3月の中旬以降の動きだ。

大阪府は、10月中旬くらいから、感染拡大が顕在化し、それを飲食店の時短要請や往来自粛などによって抑え込んだが、年末に解除したことで一気に再燃。その後、緊急事態宣言(SOE2)で抑え込んだが、それを解除したら再燃という経緯をたどっていたことがわかる。

これを見ると、大阪府の場合、自粛要請解除後の跳ね上がりが高いことが指摘できる。12月下旬まで抑え込んでいたものが、一気に年末年始に爆発したのもそうだし、3月に急速に2W前比が上昇したのは10日以降であり、これは、SOE2解除から2W弱であり、解除と同時に感染拡大が生じたことを示している。

東京都も大阪府も、SOE2発出に依る効果は絶大。2W前比を0.5前後にまで落とし込むことに成功している。が延長することで、その効果は薄れていくことも同様。

異なるのは、SOE2の解除後。前述したように、大阪府は解除と同時(数値上は10日後以降)に湿度からの推計値を大きく上回る水準で爆発的に感染拡大しているのに対し、東京都では解除から3週間が経っても湿度からの推計値レベルに戻ってきているに過ぎない。

3月の急拡大に変異株が影響している可能性は否定できないが、11月や年末年始の立ち上がりを見れば、大阪府では感染拡大がピーキーな特性となりやすいとも言える。

これは、恒常的な社会システムが、ニューノーマル対応となっていない、その水準が低いということと、いわゆる「反動」が出やすい状態にあるためと考えられる。

例えば、大阪府は東京都よりも一ヶ月ほど早く感染拡大となっているが、同時期、東京都も大阪府も、さほど湿度(平均水蒸気圧)は変わらない。が、季節の変わり目ではあり、平均水蒸気圧が下がり始めるタイミングとなる。

乾燥に対する強さの違い

東京都と大阪府での気象条件による感染拡大傾向の違いを見てみると、いずれも、平均水蒸気圧と密接な相関を示しているものの、9月からSOE2までの実績を対象とした推計式の傾きは大きく異なっている。

単純に推計式の形式のみを比較すると、東京都の-0.03に対し大阪府は-0.05。つまり、大阪府は、同じ湿度であっても、東京の1.6倍以上、感染拡大しやすい状態にある。

これは、東京都と大阪府での防疫体制、ニューノーマル水準の違いを示すものと考えれば、大阪府では10月から波が来たのに対し、東京都では11月まで持ちこたえられた理由ともなるだろう。

仮に、その推測を是とすれば、東京都が大阪府の後追いで感染爆発する可能性は低い。

変異株の存在

とはいえ、大阪府におけるSOE2解除後の立ち上がり方は、非常に大きい。

湿度との関係だけで言えば、2倍を超えない水準となっている中で、4倍を超える水準となっている状態を、単なる「反動」と捉えるのは危険だろう。実際に、感染力が強いとされるイギリス株と言われる変異株が多く確認されていることを考えれば、変異株が影響していると考えるのが合理的でもある。

現状、落ち着いている東京都も、イギリス株が入ってくれば、状況が大きく変わる可能性もある。

一方で、変異株だけで、感染が急拡大していると考えることも避けるべきだろう。

ここまで見てきたように、大阪府は東京都に比べ、感染症対策の水準が低いことや、自粛要請解除後の反動が大きいこと(端的に言えば、一気に緩みやすいこと)がベースにあり、そこに変異株が加わったことで、3倍、4倍を超えるような感染拡大が生じていると考えるのが妥当ではないか。

大阪府では、この状況に対して「まん防」で対抗しようとしている。過去、自粛要請が「効いた」ことを考えれば、おそらく、その効果は期待できるだろう。

他方、過去の推移を考えれば、そうした「劇薬」の反動が出やすい地域でもある。

昨年秋実績をみれば、大阪府において、2W前比が1を下回るのは計算上、約23ヘクトパスカル。安定的に平均水蒸気圧が23ヘクトパスカルを安定的に超えていくのは6月上旬である。仮に、これから一ヶ月、まん防を展開したとしても、5月上旬時点で解除した場合、5月下旬には再拡大する可能性は高い。

劇薬に頼るのではなく、ベースとなる社会全体の感染症対策レベルを上げていく必要があるのではないか。

なにはともあれ「湿度」

いずれにしても、大阪府の事例を考えても「湿度」と感染拡大には密接な関係があると指摘できる。

社会的には、「乾燥(そして多分、低温)」に対する耐性を高めていくことが重要となることは第一である。仮にだが、10ヘクトパスカルでも1となるようなレベルにまで恒常的な対策レベルが高まれば、12−3月のみ特別な対策を行えばOKということになる。

さらに、気象条件は予測が容易であるのだから、そこから「将来発生するであろう」陽性者を推計し、医療体制を整えておくことも出来るし、各施設においても天候の状況を見ながら、加湿器によって湿度を高めに保つような対策も取れることになるだろう。

東京都ですら、現在の感染症対策レベル、ニューノーマルでは対応力が弱い。一方で、SOEやまん防で要請される飲食店への一律での営業時間規制では、あまりに効率が悪い。観光旅行の抑制も同様である。

個別にどういった対応をしていくのかについて、改めて、検討、実践していくことが重要だろう。

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