資本の国際化をどう考えるか

このように観光地の国際化に伴う国際的なホスピタリティ産業の集積は、住民にとっても、地域にとっても、従来の産業構造、地域振興の枠組みとは大きく異なるものです。

ただ、このダイナニズムは、観光を振興すれば、必ずもたらされるのかといえば、そうはいきません。地域が、いわゆる「外資」をエイリアンとして排除する方向に進めば、ダイナニズムは失われてしまうからです。

外資を排除することで、地域の経済循環「率」は高まります。また、「地場産業」を保護することも出来るでしょう。

ただ、ここで述べたような「ローカルに居ながらグローバルに繋がる」という効果は限定的になります。

とはいえ、現在のニセコのように「右も左も外国人」という状況は「嫌だ」と思う人も少なくないでしょう。

この辺は、価値観の問題なので、どちらが良い悪いということではなく、それぞれの地方で検討すべき課題です。

もう一つの問題は、仮に、資本の国際化を受け入れると考えても、他方で、外資にとって魅力的な地域になれるのかという問題です。

需給のパレート分布、またはブランディングの法則から考えれば、同じカテゴリでブランド力を持てるのは、せいぜい3つくらいだからです。このことは、外資が投資先として考えるエリアは限定される事を示しています。つまり、どこでもグローバル企業の誘致が出来る訳ではありません。

グローバル企業の進出は難しいが、国際化のダイナニズムは起こしていきたいという場合、地域の既存事業者が、自ら内発的にグローバルな経営スタイルに転換していくということが求められます。家業ではなく企業とし、自身のビジネスモデルの刷新を行いながら、従業員のキャリアパスの可能性も拡げていく…。その取り組み自体が、自身の経営を「強く」することにも繋がっていくものと期待されます。

いずれにしても、国際化というのは、顧客側だけで起こることではなく、事業者側も含めて生じること。そして、その事業側の国際化は、従来の地域振興とは異なる枠組みになり得ることを意識しておきたい。

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