市場サイズは人口規模に比例しない

先日、ある検討会に出たところ、事務局が作成した資料に「交通政策審議会 第22回観光分科会」の配付資料が入っていた。

この観光分科会は、2014年の2月に開催されたものであるが、その中で、国内市場の需要予測が行われている。

で、実際はどうなったのかというと、これも観光庁の資料から辿ることができる。

まず、旅行者数については、予測では2017年時点で6億1834万人だったが、実際には6億4751万人となっており、予測を行った2013年/14年当時の水準より高い。

また、旅行消費額についても、予測では19兆4770億円だったが、実際には21兆1130億円と、これも、予測行った当時よりも増大している。

予測なので、当たる当たらないは、時の運というところもあるが、減少するという見込みが、実は、むしろ微増するという結果になったということは、そもそもの予測モデルの考え方が異なっていたと考えるべきだろう。

一枚目のスライドの脚注にも示してあるが、この予測は単純に人口規模で推測を行っている。これが、推計を誤った大きな原因と考えられる。

旅行実施者の実像」や「観光市場の展望」でも示したように、市場規模は経済要因やライフステージ要因の方が強く影響する。もちろん、今後の、大規模な人口縮小が市場規模に影響を及ぼさないとは思わないが、むしろ経済環境を含む社会の雰囲気の方が影響すると考えるべきだろう。

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